70:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/03/23(土) 23:11:32.39 ID:sFFUNv8Z0
「全員、集まりましたか? では、今日の参加者の確認を行います」
審査員が、参加者の名前を読み上げる。
ジュピターの名前が呼ばれると、会場に「おぉ〜」という歓声が沸いた。
「まだ始まってもいないのに――」
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2013/03/23(土) 23:13:51.48 ID:sFFUNv8Z0
オーディションが始まり、各アイドルが銘々に磨き上げた実力を披露する。
今日の流行はダンスであり、特にダンスアピールに重きを置くアイドル達が多いようだった。
あまりのレベルの高さに圧倒されたが、やがて雪歩は、いつの間にか美希の体が震えているに気づいた。
さらに、今まで見たことも無いほど真っ青な顔をしている。
72:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/03/23(土) 23:16:21.17 ID:sFFUNv8Z0
「呼ばれなかった方はお帰り頂いて結構です。お疲れ様でした」
審査員はジュピターのエントリー番号を告げると、最後にそう付け加えた。
合格者発表よりも前に、美希は歌い終わった後、逃げるように会場から既に去っていた。
後を追おうとする雪歩を、律子が制した。
73:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/03/23(土) 23:19:23.35 ID:sFFUNv8Z0
「う、嘘だよね?」
雪歩は思わず少し大きな声で聞き返した。
「ううん、本当だよ?」
美希は平然と返した。
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2013/03/23(土) 23:22:12.10 ID:sFFUNv8Z0
「わ、私も律子さんも、わがまま言ってるかもだよね、ごめんね。
でも、今までは楽しかったから、美希ちゃんもアイドル続けてきたんじゃ――」
「もう楽しくないから辞めるの。何か文句あるの?」
美希は雪歩と目を合わそうともせず、携帯を取り出して何やらカチカチと弄っている。
75:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/03/23(土) 23:24:14.48 ID:sFFUNv8Z0
「もういい―――もう止めて」
か細い雪歩の声が聞こえて、美希は顔を上げた。
雪歩の目からは、堪えきれなかった大粒の涙が溢れ出ていた。
「無理にアイドルやらせて、辛い思いをさせちゃったのなら、謝る。
76:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/03/23(土) 23:26:11.93 ID:sFFUNv8Z0
「そうか―――ありがとう、辛い思いをさせたな」
すまない、と言いながら、プロデューサーは雪歩に頭を下げた。
雪歩は、俯きながら首を振った。
「本気――なんだろうな、きっと」
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2013/03/23(土) 23:28:01.63 ID:sFFUNv8Z0
「千早。言いたいことがあるならハッキリ言いなさいよ」
少し語気を強めて、伊織が千早の本音を引き出そうとした。
おそらく、千早が次に何を言いたかったのかを彼女は確信している。
その雰囲気を感じ取った千早が、伊織に対し不快感を露にした。
78:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/03/23(土) 23:29:58.40 ID:sFFUNv8Z0
「ちょ、ちょっと皆落ち着いて!
プロデューサーさん、律子さん、皆を止めて下さい!」
見る見るうちに殺気立った事務所内の空気に恐怖し、小鳥が二人に助けを求めた。
「お、おい、止めろって――」
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2013/03/23(土) 23:31:56.58 ID:sFFUNv8Z0
「お、おい律子――?」
律子は、静かに亜美達の方へと歩み寄った。
彼女の様子に異変を感じ取ったプロデューサーが咄嗟に声をかけたが、立ち止まらなかった。
「り、律っちゃん――」
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