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2013/03/25(月) 21:58:51.87 ID:d5tGG4Gs0
  
 次に向かったのは木造の学校跡だった。 
  
 玄関ホールは広く、入ってすぐに運動場が目に入る。 
 木造だったこともあり、殆ど焼けてはいるが、それでも原型はとどめていた。 
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2013/03/25(月) 22:00:13.21 ID:d5tGG4Gs0
  
 俺にも見えた。なんだ、あれ。俺たちのライトじゃない。 
  
 誰か、いる?そんなわけがない。考えているうちに、光は消えた。 
 静寂が降りてくる。番組プロデューサーですら、そうだった。 
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2013/03/25(月) 22:01:40.26 ID:d5tGG4Gs0
  
 「こ、これ…」 
  
 「ここは…ダメ」 
  
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2013/03/25(月) 22:02:47.67 ID:d5tGG4Gs0
  
 この一帯はもう電気など通ってはいないのに。 
  
 放送室のテストスピーカーからマイクが拾った声が流れだす。 
 ひっ。女性スタッフが出した恐怖の声。 
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2013/03/25(月) 22:03:30.62 ID:d5tGG4Gs0
  
 早く出ろ! 
  
 霊媒師がそう叫んで放送室に駆け込んで無理やりスタッフを引きずり出す。 
 あとはあの番組プロデューサーだけだ。あとひとり。 
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2013/03/25(月) 22:04:51.62 ID:d5tGG4Gs0
  
 やばいですよ、ここ。カメラマンが俺に話しかける。 
 ここ、他の人からも止めておけって言われてたんです。すみません。 
  
 『いえ、大丈夫です』 
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2013/03/25(月) 22:05:52.24 ID:HMg7ZGXXo
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 白坂小梅(13) 
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2013/03/25(月) 22:06:14.91 ID:d5tGG4Gs0
  
 何だよこれ。どんどん手形が増えていく。 
 いや。もう、いや。なんでこんなことに。女性スタッフは泣き崩れている。 
 手形でぼやける視界の中、確実にハンドルを切っていく。ここで死ぬのはごめんだ。 
  
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2013/03/25(月) 22:06:51.76 ID:d5tGG4Gs0
  
 後はこの道を直進するだけで街に着く。もう大丈夫だ。 
  
 ああ、ここはどこだ?もう引き返したのか。 
 調子に乗るべきではなかったな。すまない。ああ。彼がそう言って謝る。 
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2013/03/25(月) 22:07:40.95 ID:d5tGG4Gs0
  
 いきなり異常なまでの力でハンドルを奪われる。 
 彼は力いっぱいアクセルを踏み、どんどん加速していく。 
  
 俺は立っている事も出来ず、ふらつきよろめき、車両の後方へと放り出される。 
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