244:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/06/01(土) 09:19:35.70 ID:m3Ao9VtAO
乙。
黄泉戸喫…
245:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/06/01(土) 10:45:40.85 ID:a5B5GarAO
乙。近未来ではなかったか。
246:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/02(日) 07:41:26.04 ID:lXtenV6yo
◇
朝早くに目を覚ました。夢の内容はよく思い出せない
247:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/02(日) 07:41:53.35 ID:lXtenV6yo
じゃあ何をしよう。すべきことはない。したいこともない。何もない。
わたしはずっと、そんな日々を望んでいた気がする。
何もしなくてもいい、他人にも時間にも束縛されない日々。
248:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/02(日) 07:42:19.77 ID:lXtenV6yo
人の歴史は石ころを積み上げて作った山のようなものだ。無意味な生と死が積み重なっている。
いつかは崩れるその石の山に、わたしがひとつ石を重ねたところで何になるんだろう?
わたしひとりが石を重ねなかったところで、誰が困るというんだろう?
249:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/02(日) 07:43:12.17 ID:lXtenV6yo
◇
不意に、何かの音が聞こえた。
なんだっけ、とわたしは思う。意識は雨の音に集中していた。
250:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/02(日) 07:43:46.40 ID:lXtenV6yo
こういうとき、何も考えずに泣き出してしまえたらよかったんだろうな、と思う。
たとえば、ツキに抱きついて弱音を吐いたりして、思い切り泣いてしまえたら。
不安に思っていることをぜんぶ吐き出して、当り散らしてみたり。
251:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/02(日) 07:44:20.46 ID:lXtenV6yo
昨夜の約束のことで来たのだとツキは言った。
すぐには思い出せなかったけれど、散歩のことを言っているのだと思い当った。
わたしの頭は、いつになくぼんやりしている。
252:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/02(日) 07:44:51.64 ID:lXtenV6yo
相変わらず、生き物の気配がしない森だ。それも当たり前の話かもしれない。
昨日彼が言った、ヨモツヘグイ、という言葉を不意に思い出す。
黄泉戸喫。その言葉がなくたって、わたしはきっと気付いただろう。
253:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/02(日) 07:45:42.90 ID:lXtenV6yo
彼は何かの歌を口ずさみながら歩いた。わたしには、その光景は少し意外に見えた。
なんだったかな。明るい曲調だけれど、少し寂しげな。
悲しい曲だった気がする。よく思い出せない。
254:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/02(日) 07:46:18.08 ID:lXtenV6yo
「……そうかもしれない。疲れたのかもね」
たいした含意もなく、わたしは答えた。自分で思ったよりも、それはあからさまな言葉だった。
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