過去ログ - 少女「雨が止んだなら」
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266:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/03(月) 07:36:59.86 ID:7IYKPM3ao

「話があるんですよね?」

「うん。シラユキもでしょう?」

以下略



267:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/03(月) 07:37:37.78 ID:7IYKPM3ao

 薄いクリーム色をした、細い髪。まんまるの、鳶色の瞳。
 淡く滲んだような森の中に、彼女の気配は溶け込むようにうつろだった。

 どこから話せばいいんだろう。思い浮かんだこと、思い出したこと、思いついたこと。
以下略



268:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/03(月) 07:39:22.42 ID:7IYKPM3ao

「わたしは、ここじゃない世界に生きていたんだよね?」

 シラユキは答えなかった。雨の音が、かすかに強まった気がした。

以下略



269:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/03(月) 07:40:57.13 ID:7IYKPM3ao

「だから、ここは死後の世界なんでしょう? ツキが、ヨモツヘグイって言ってた。
 死後の世界に迷い込んだ人間が、その世界の物を口にすると、帰れなくなるって話。
 そうなるかもしれないと、ツキは疑ってた。彼はきっと、最初からこの世界がどんなところなのか知っていたんでしょう?」

以下略



270:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/03(月) 07:42:42.06 ID:7IYKPM3ao

「ツキのことは、思い出せましたか?」

 シラユキの方から質問されて、わたしは少し戸惑った。

以下略



271:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/03(月) 07:44:03.88 ID:7IYKPM3ao

「それは、どこかからの帰り道で……たぶん学校からの、帰り道。
 いつも通る公園があった。晴れた日にはそこで、ふたりで話をしたりもした。
 でも、その日は、雨が降っていて、わたしとツキは、つまらないことで喧嘩してた。だから、公園には寄らなかった」

以下略



272:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/03(月) 07:45:15.83 ID:7IYKPM3ao

 思い出していなかったはずの、記憶の続きだった。
 わたしはその記憶を必死に辿る。
 
 ツキの両親は猫を連れて帰った息子を叱った。
以下略



273:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/06/03(月) 07:45:43.95 ID:7IYKPM3ao
つづく


274:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/06/03(月) 12:44:11.88 ID:wNQc2uCmO



275:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/06/03(月) 21:08:00.59 ID:nGuWjvRAO
乙にゃんこ。


276:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/04(火) 07:40:10.06 ID:10ecUgk1o



「猫は長い間ツキの家で飼われていた。
 わたしはその子のことが好きだったし、ツキだってその子のことが好きだった。
以下略



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