272:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/03(月) 07:45:15.83 ID:7IYKPM3ao
思い出していなかったはずの、記憶の続きだった。
わたしはその記憶を必死に辿る。
ツキの両親は猫を連れて帰った息子を叱った。
273:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/06/03(月) 07:45:43.95 ID:7IYKPM3ao
つづく
274:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/06/03(月) 12:44:11.88 ID:wNQc2uCmO
乙
275:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/06/03(月) 21:08:00.59 ID:nGuWjvRAO
乙にゃんこ。
276:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/04(火) 07:40:10.06 ID:10ecUgk1o
◇
「猫は長い間ツキの家で飼われていた。
わたしはその子のことが好きだったし、ツキだってその子のことが好きだった。
277:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/04(火) 07:40:48.95 ID:10ecUgk1o
「続きを、話してもらえますか?」
「……続き?」
278:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/04(火) 07:41:27.14 ID:10ecUgk1o
「あなたはシラユキの死に、どんなことを思ったのですか?」
わたしは。
279:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/04(火) 07:42:11.43 ID:10ecUgk1o
「生き続けて苦しむより、何もかも終わりにしてしまった方が楽だったってことですか?」
「……うん。そういうことになるんだと、思う」
280:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/04(火) 07:42:51.15 ID:10ecUgk1o
「そんな言い方をするということは、あなたは既に思い出しているはずです。
自分が誰によって苦しめられていたのか。そのことをちゃんと理解しているはずです」
「……そんなの」
281:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/04(火) 07:44:10.38 ID:10ecUgk1o
「あなたにとって、家は安らげる空間ではありませんでした。
学校に行くことだって、家から離れられる安堵を除けば、楽しいことでもなかったでしょう。
苦しいばかりだったでしょうね。唯一の友だちだったツキと、その家族。それからシラユキという子猫。
もし苦しみではないところがあるとしたら、そうした人々との交流くらいでしょう」
282:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/04(火) 07:45:25.19 ID:10ecUgk1o
「そうして、あなたは死にました」とシラユキは言った。
他人事のようなニュアンス。そのことが、むしろ事実を際立たせていた。
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