過去ログ - 少女「雨が止んだなら」
1- 20
497:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/17(月) 07:00:58.58 ID:IMrWsM59o

「わたしはここでシラユキを待つ」

「……なあ、よく聞けよ、アヤメ」

以下略



498:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/17(月) 07:01:44.97 ID:IMrWsM59o

「わたしを殺して困るのは、あなたの方でしょ?
 あなたはわたしに生きていてほしい。わたしが死ねば、あなたも死ぬ。
 わたしを殺してしまったら、あなたの目的は達成されない。だから、あなたは撃てない。
 わたしはわたしが死んだって、別に困らない。困るのはあなただけ」
以下略



499:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/17(月) 07:03:09.54 ID:IMrWsM59o

「なんだよ、それ……」

 悲しげな声だった。でも、それだってそう聞こえるだけのことだ。

以下略



500:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/17(月) 07:03:45.82 ID:IMrWsM59o

 彼は表情を歪めたけれど、わたしにはもう、その表情が何を意味するのかも分からなかった。
 どんな感情なのかも、分からない。

 雨の雫が彼を打ち続ける。
以下略



501:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/17(月) 07:04:14.42 ID:IMrWsM59o

「シラユキが死んだのは、俺だって悲しいよ」

 ツキはわたしの方を振り向かず、前を見て、歩き続ける。
 わたしの腕を引いたまま。
以下略



502:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/17(月) 07:04:52.67 ID:IMrWsM59o

 ツキを助けたい、と思った。
 でもわたしは、生きていたくなんてなかった。
 
 ツキには生きていてほしい。
以下略



503:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/17(月) 07:05:21.41 ID:IMrWsM59o

「お前の考えなんて知らない」
 
 自分に言い聞かせるみたいに、ツキは言った。

以下略



504:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/17(月) 07:05:55.16 ID:IMrWsM59o

「ツキ、あのね、仮に、あなたと一緒に現実に帰ったとしても……。
 たとえばわたしが今、ちょっとだけ前向きになって、もうちょっとだけがんばってみようって、そう思ったとしてもね。
 きっといつか、嫌になってしまうと思う。また同じことの繰り返しになると思うの」

以下略



505:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/17(月) 07:06:23.17 ID:IMrWsM59o

「この世界でずっと生きられるなら、たしかに幸せかもしれないな。
 でも、実際にはそうじゃない。この世界で作り上げられる永遠は偽物だろ。
 実際にずっと暮らせるわけじゃない。単に時間の流れが止まるだけだ。それを永遠と呼ぶだけだ」

以下略



506:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/17(月) 07:07:12.62 ID:IMrWsM59o

 思考が急に混乱しはじめる。
 
 おかしい、と思った。

以下略



633Res/436.26 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice