過去ログ - 少女「雨が止んだなら」
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545:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/21(金) 02:41:03.70 ID:gFrmtBDeo

「ツキを助けたい、とは思っていたかもしれません。
 でも、ツキを助けるために自分も生き延びる、とまでは考えていなかったように思います。
 あのときも言ったと思いますが、それではツキを助けることはできません」

以下略



546:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/21(金) 02:42:33.83 ID:gFrmtBDeo

「あなたが死に傾けば傾くほど、ツキもわたしも、そうした結果を想像することができました。
 擬似的に未来を感じ取ることができたわけです。あなたが死んだ結果として、ツキは死に蝕まれる。
 そうである以上、“あなたの死の影響”からツキを助けるには、あなたが死なない以外に方法はないんです」

以下略



547:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/21(金) 02:43:40.37 ID:gFrmtBDeo

「結果そうはならなかったのは、救いでしたね。
 でもあの段階で、どうすればいいのか、さらに分からなくなりました。
 ツキの死を見過ごすのか、見過ごさず自分も生きるのか、二択を迫ったつもりだったんです。
 あなたはどちらも選ばなかったから。わたしが上手く説明できなかったのも、悪かったんでしょうけど」
以下略



548:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/21(金) 02:44:34.37 ID:gFrmtBDeo

「誤解のないように言っておきますが、包丁を振り回して暴れるつもりはありませんでしたよ。
 ただ、仮にあなたが生きようと思っても、そう思わなくても、ツキを助ける必要があったんです。
 わたしにとってはあなただけでなく、ツキも死なせるわけにはいかない存在ですから」

以下略



549:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/21(金) 02:45:19.94 ID:gFrmtBDeo

 やがてシラユキは、真剣な顔で小さく頷いた。自分を納得させようとしているみたいに見えた。

「ここまで話したのは、もう本当に、どうしようもない状況になってしまったからです」

以下略



550:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/21(金) 02:46:26.03 ID:gFrmtBDeo

「まだ、隠してることがあるんです。
 本当はまだ言いたくないんですけど、言わないとフェアじゃないような気がして……。
 でも、これを言ったら、あなたは騙されたと思うかもしれない」

以下略



551:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/21(金) 02:47:26.03 ID:gFrmtBDeo

「……わたしが知っているシラユキは、あなただけど。でも、それなら、あなたは誰なの?」

「それについても、シラユキ、と言うほかありません」

以下略



552:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/21(金) 02:47:52.67 ID:gFrmtBDeo

537-1 前を猫は → 猫は

つづく


553:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/06/21(金) 08:59:36.83 ID:spH6hjm8O
なんと
シラユキが世界に綻びを作っていたのか
なら尚更シラユキの正体が気になるな


554:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/22(土) 03:54:00.09 ID:CnjYFZl7o



 シラユキの話をそこまで聞いたとき、頭に鈍い痛みを覚えはじめた。
 ツキはまだ座り込んでいる。シラユキは雨に打たれている。
以下略



555:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/22(土) 03:55:09.55 ID:CnjYFZl7o

 ……なんとなく、分かった。
 今の今まで、ずっと、わたしは茶番を演じているような気分のままだった。
 行動の一つ一つにも、出来事の一つ一つにも、現実感のようなものがまるで伴っていない。
 
以下略



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