過去ログ - 【マジェプリ】もしもイズルが一週間いなかったら
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551: ◆jZl6E5/9IU[saga]
2013/07/05(金) 00:45:51.54 ID:l6PNrR0W0





以下略



552: ◆jZl6E5/9IU[saga]
2013/07/05(金) 00:47:01.27 ID:l6PNrR0W0
結局、私は『あの人』の死に様は知らない。
あの作戦の日、激戦の末、気付けば病院の一室にいたのだ。

きっと、彼らしく諦めずに戦い続けたんだろう、というのは予想できる。
それは知っていた。彼の機体の破片が見つかったとき、その後ろに部下の機体の残骸が漂っていたと聞いていたから。
以下略



553: ◆jZl6E5/9IU[saga]
2013/07/05(金) 00:48:13.84 ID:l6PNrR0W0
「あれ。教官?」

はっ、と。
私の意識が虚空から蘇る。
ふとした声に――聞き覚えのある少年の声に、私はすっかり耳を傾けていた。
以下略



554: ◆jZl6E5/9IU[saga]
2013/07/05(金) 00:49:16.60 ID:l6PNrR0W0
「それは…」

「やっぱり、怖かったん、でしょうね」

唇を苦笑の形に変えて、イズルは自分の手のひらを眺めた。
以下略



555: ◆jZl6E5/9IU[saga]
2013/07/05(金) 00:50:15.76 ID:l6PNrR0W0
「あの、教官」

「……何かしら?」

私の思考に割り込むように、イズルの声がした。
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556: ◆jZl6E5/9IU[saga]
2013/07/05(金) 00:52:26.84 ID:l6PNrR0W0
「今回のこと、その、ご心配をおかけしたそうで」

「……それは違うわ。謝るべきは、私よ」

冷めた声色で、私はそう返し、一度黙る。
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557: ◆jZl6E5/9IU[saga]
2013/07/05(金) 00:55:30.76 ID:l6PNrR0W0
…そうじゃない、と私はその言葉に声を荒げてしまいそうになる。
私は軍人としての最高の一択を理解している。
なのに、それを否定したがっている。教師としての、私が。
それでは、その選択では――

以下略



558: ◆jZl6E5/9IU[saga]
2013/07/05(金) 00:56:37.33 ID:l6PNrR0W0
「すみません。また、怒られちゃいましたね」

もう、間違いませんから。
それだけ言うと、イズルはもう一回頭を下げると、そのまま振り返った。
このまま部屋に帰るらしい。彼は、おやすみなさい、と去り際に言って歩き出した。
以下略



559: ◆jZl6E5/9IU[saga]
2013/07/05(金) 00:57:28.14 ID:l6PNrR0W0
イズルはそんな私に大して訝しむような視線も向けず、素直に考えだした。
そして時間にしてみれば十秒にも満たない中で、彼ははっきりと答えた。
彼だけの変わらない想いで。

「…ヒーローになることです」
以下略



560: ◆jZl6E5/9IU[saga]
2013/07/05(金) 00:57:59.29 ID:l6PNrR0W0
「――大尉、ご覧になってますか?」

誰もいやしない虚空に向かって、呟く。
私のこの気持ちを確かめるために。
いつかのように、覚悟を決めていくために。
以下略



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