過去ログ - 魔法使い「勇者がどうして『雷』を使えるか、知ってる?」
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71: ◆1UOAiS.xYWtC[saga]
2013/05/25(土) 02:25:10.25 ID:QKtUJVFRo
手に握ったグラスに、意識せずとも力が籠もった。
『楽しんでいますか』『この度は、おめでとうございます』『この国の民を代表して、感謝の意を――――』
そんな言葉が出て来たら、構わずにグラスの中身を顔めがけて引っかけてやるつもりだった。
例え、彼女の『父親』であろうとも、そこは譲らない。
譲らなかったからこそ――――バルコニーに一人で、誰も寄せ付けず、たそがれる事を選んだ。
以下略



72: ◆1UOAiS.xYWtC[saga]
2013/05/25(土) 02:26:08.40 ID:QKtUJVFRo
もう一口、ワインを含んだ。
少しだけ、少しだけ……さっきよりも甘く感じて、どこか潮風を思い出すような芳醇な香りが、口から鼻を抜けた。

魔法使い「……現実味、無いのよ」

以下略



73: ◆1UOAiS.xYWtC[saga]
2013/05/25(土) 02:26:44.66 ID:QKtUJVFRo
王女「魔法使い様……」

魔法使い「あいつがいないから、ってのも……あるけどさ」

『勇者』がいなくなっても、それだけのせいではない。
以下略



74: ◆1UOAiS.xYWtC[saga]
2013/05/25(土) 02:27:15.58 ID:QKtUJVFRo
魔法使い「……誰も、傷つけたくなかったからよ」

王女「傷つけたく……なかった?」

魔法使い「あいつは、言ったの。……救った世界の人々に、剣を向けたくない、ってさ」
以下略



75: ◆1UOAiS.xYWtC[saga]
2013/05/25(土) 02:27:53.48 ID:QKtUJVFRo
メインホールの喧噪に掻き消されそうな、小さな嗚咽が聴こえた。
空気を振り払うように、再びグラスに口をつけた。
今度は妙に苦くて、香りも感じなかった。
鼻の奥で何かが突っ張っているような感覚がして、つい、顔をしかめる。

以下略



76: ◆1UOAiS.xYWtC[saga]
2013/05/25(土) 02:28:23.01 ID:QKtUJVFRo
王女「……魔法使い、様」

魔法使い「何かしら?」

王女「人は……争いを止められる時が、来るのでしょうか」
以下略



77: ◆1UOAiS.xYWtC[saga]
2013/05/25(土) 02:31:28.15 ID:QKtUJVFRo
毎回行方晦ませて不安にさせて申し訳ないので、twitter垢でも作ってみようかなと思ったところで本日分終了です
それでは、また明日〜


78:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/05/25(土) 03:25:29.63 ID:A+5nR2DSo
おつううう


79:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/05/25(土) 07:16:26.06 ID:0KzayibZ0
今ある勇者・魔王系のSSの中で一番気に入ってるシリーズの続編が
リアルタイムで読めるとかマジ幸せッス


CC


80:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/05/25(土) 13:04:42.38 ID:9SR6US8+0
おつおつおつ


81:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/05/25(土) 13:57:38.09 ID:KyfhaL6xo
スレタイ分かりやすくしてもらえるほうがありがたい


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