過去ログ - モバP「七人目の正直」
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43: ◆m03zzdT6fs[saga]
2013/06/18(火) 17:56:02.28 ID:gq9TOo4jo
『はは、これは手厳しい。確かに、私の手で連れて行ってやれれば一番だったでしょう。ただ、私は彼女の為に、移籍と言う手段で、トップアイドルへの道を切り開いて見せましたよ』

 四年前と同じことを、繰り返すつもりなんて、俺は微塵もなかった。”あの時”とは違う。その為に、俺は耐えて、忍んで、抑えこんできた。激怒しながらでも、冗談が言える程度には。

 だから、ぽっと出の、こんな男に俺の艱難辛苦は理解できないし、理解されたくもない。だから、俺はいつも通りの業務スマイルを浮かべて言う。
以下略



44: ◆m03zzdT6fs[saga]
2013/06/18(火) 17:56:58.68 ID:gq9TOo4jo
「最後にもう一つ、いいかい」

『はい、何でしょうか?』

 これ以上俺に何か聞くことがあるのだろうか。まだ暴発を待っているのか。その手には乗らない。そう思いながら、少しうんざりとした気持ちを抱きつつ、俺は聞き返す。
以下略



45: ◆m03zzdT6fs[saga]
2013/06/18(火) 17:57:25.63 ID:gq9TOo4jo
 そうして、応接室から出ると、さっきの若いプロデューサーが待っていた。

「Pさん、玄関まで送らせていただきます」

『ああ、すみません。わざわざ』
以下略



46: ◆m03zzdT6fs[saga]
2013/06/18(火) 17:58:09.88 ID:gq9TOo4jo
『うちの茄子を、どうかよろしくお願いします。そう、次のプロデューサーの方へ、お伝えください』

 俺は頭を下げた。彼女との、決別を決意するための言葉。これで俺と彼女は赤の他人だ。彼女は強い。きっと、俺のことなど忘れてくれるだろう。

「分かりました。確かに、お伝えいたします」
以下略



47: ◆m03zzdT6fs[saga]
2013/06/18(火) 17:58:49.61 ID:gq9TOo4jo
少し間が空いたせいで多くなりました。卒研はなかなか大変ですね。
今回は以上となります。


48:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/06/18(火) 22:48:19.10 ID:IVSIMjxFo
乙です




49:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/06/19(水) 01:08:09.38 ID:euSRnc41o
おつー
無理はしないでね


50:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/06/19(水) 07:54:14.80 ID:w2BonRlxO
おつ


51: ◆m03zzdT6fs[saga]
2013/06/22(土) 01:53:28.49 ID:1gSiRoL5o
 ――今までありがとうございました、Pさんっ!

 ああ、ちくしょうめ。まただ、またこの夢だ。胸糞の悪い夢。自業自得と、自己嫌悪が混ざり合った、醜い夢。

 居並ぶアイドル達。今まで六人だったそれが、七人に増えている。最後の顔は――茄子さんだ。
以下略



52: ◆m03zzdT6fs[saga]
2013/06/22(土) 01:55:54.84 ID:1gSiRoL5o
 ――。

 声が出ない。なぜだろう。すぅっと出てくるはずの、”応援している”の言葉。何で今日に限って――。

『ッ……!』
以下略



53: ◆m03zzdT6fs[saga]
2013/06/22(土) 01:56:31.81 ID:1gSiRoL5o
 あるいは、こんな近しい場所にいるからなのかもしれない。シンデレラガールズ・プロダクションとは、行こうと思えば行ける距離だ。精神的にも、距離的にも、彼女から離れたほうが、彼女のため――いや、自分のためだろう。

 彼女のため、だなんて偽善ぶっているから、俺はいつまでたっても彼女のことを忘れられない。意志薄弱な人間だと、自分で思う。かつては、そうでもなかった気もするが……、それももう、遠い昔の話だ。

(……一念発起、かな。はは)
以下略



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