2:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2013/06/12(水) 20:50:15.07 ID:vLNSj/6Bo
最初は驚いた。魔王たる彼もそれはもう驚いた。
朝起きると感じた不思議な違和感。
確かめたところ、下着に深刻な汚れが発生していた。
恐慌した彼と悪魔大元帥である芦屋が必死で調査した結果、人間には夢精という現象が起こり得ることが判明した。
3:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2013/06/12(水) 20:50:44.16 ID:vLNSj/6Bo
真奥(あのね、魔王の意地で顔には出さないようにしてるけどね)
真奥(ぶっちゃけちーちゃんの胸とか刺激が強すぎるわけです、はい)
彼のバイトの後輩である佐々木千穂は、十六という若さにして至宝とも言うべき肢体に恵まれていた。
4:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2013/06/12(水) 20:51:10.57 ID:vLNSj/6Bo
真奥「……うーむ」
時刻は深夜に差し掛かる頃。
花の金曜日ということもあり、酒に酔う人々で溢れる中、彼は目的の店の前に立っていた。
あらかじめ目星をつけていた店。あとは入店するだけだったが、彼の足は動かなかった。
5:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2013/06/12(水) 20:51:37.45 ID:vLNSj/6Bo
悩んでいたのは一瞬か、数分か、数十分か。
その間俯いていた真奥が、ふと顔を上げた。
その表情は晴れやかで、だがどこか寂しげだった。
真奥(……やめよう)
6:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2013/06/12(水) 20:52:11.19 ID:vLNSj/6Bo
店員「申し訳ありません、ただ今カウンターも満席でして……」
真奥「あ、そうですか。えーと……」
さすがに週末だけあり、入った店は満席だった。
7:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2013/06/12(水) 20:52:38.01 ID:vLNSj/6Bo
真奥「……鈴木さんだっけ? あの、何なのこれ」
真奥は立ったまま、憂鬱な顔で梨香に向かってそう言った。
恵美の顔は真っ赤に紅潮しており、目は虚ろだ。明らかに出来上がっていた。
どうにも嫌な予感しかしない。
8:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2013/06/12(水) 20:53:13.86 ID:vLNSj/6Bo
恵美は話を聞いている様子もなく、枝豆の皮を剥く作業に熱中していた。
手がすべり落下する枝豆を見て、それでいいのか勇者と敵の心配をする真奥。
梨香「恵美のことどう思ってる?」
9:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2013/06/12(水) 20:53:41.50 ID:vLNSj/6Bo
残存魔力のほとんどない今の真奥を殺すのは、恵美にとって容易いことだ。
だが行きがかり上共闘し、馴れ合いのような関係になり、いつのまにか争い合うような空気はなくなった。
口喧嘩はするものの、本気の殺し合いなど日本に来てからしていない。
それは改めて指摘されれば、確かに腑に落ちないことだった。
10:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2013/06/12(水) 20:54:12.17 ID:vLNSj/6Bo
真奥「お前らよくこの辺で飲むの?」
恵美「たまにね。このクズ」
真奥「……お前実年齢十七だよな? 酒いいのか?」
11:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2013/06/12(水) 20:54:42.45 ID:vLNSj/6Bo
ああ、やはり大して興味もない話題など振るんじゃなかった。
そう頭を抱える真奥だったが、意外にも恵美が会話を繋いだ。
恵美「……どうせ、私は根に持つ女よ」
38Res/33.01 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。