135:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/07/20(日) 16:36:39.63 ID:zYO7ro1M0
まってるよ保守
136: ◆.g97gKoujg[saga sage]
2014/07/31(木) 22:55:38.13 ID:DqCXhqTW0
『貴方のきょうだい』と、少女はそう言った。
『姉弟』『兄妹』凉一には姉も妹もいない。
まるで要領を得ない……その真意を問おうとした凉一は少女の右目に釘付けになった。
137: ◆.g97gKoujg[saga sage]
2014/07/31(木) 23:02:32.53 ID:DqCXhqTW0
「……? ボクは……何で」
少女の姿はもうない。
この雨で流れ落ちたように少女の気配は消え失せて……いや、凉一から茅との邂逅(かいこう)の記憶が抜け落ちていた。
138: ◆.g97gKoujg[saga sage]
2014/07/31(木) 23:08:51.61 ID:DqCXhqTW0
「帰らなきゃ……」
何故、この場で立ち止まっているのか解らない凉一は、いつの間にか降っていた雨に打たれていた。
139: ◆.g97gKoujg[saga sage]
2014/08/04(月) 01:34:44.25 ID:FySASW9O0
凉一は田園地帯を抜けて住宅街に入っていた。自家のある駅の方へ近付くにつれ傘をさす通行人がちらほら見受けられた。
(あの郵便局……三叉路)
140: ◆.g97gKoujg[saga sage]
2014/08/04(月) 01:39:49.54 ID:FySASW9O0
子供の頃から見馴れているシャッターには『比良坂建具』の文字、祖父の仕事場が併設されている凉一の生家はいつもと変わらずそこにあった。
――懐かしい。
141: ◆.g97gKoujg[saga sage]
2014/08/04(月) 01:44:45.99 ID:FySASW9O0
――帰る事ができるのか?
凉一の脳裏に別れ際に交わした茨木の言葉がよぎる。
そして、マリアヴェルの必至な訴えも――
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