過去ログ - 恵美「もしも魔王の正体に気づかなかったら」3巻
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2013/07/06(土) 19:59:43.25 ID:6QX93pwdo
真奥「……だから、行かせられない。行かせたくない。頼む。今はこいつを……っ!」
その台詞は最後まで言えなかった。
ガブリエル「悪いけど、予定変更ね」
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2013/07/06(土) 20:00:09.46 ID:6QX93pwdo
ガブリエル「ったくもう、君に手荒なマネはしたくないのにさー、どうして分かってくれないかな? 元々僕が管理してたんだよ?」
アラス・ラムス「たのんでないもん!」
ガブリエル「や、頼まれちゃいないけどそれが僕の役目であって……」
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2013/07/06(土) 20:00:40.95 ID:6QX93pwdo
思った以上の戦力差に舌打ちする。
手には半ばから斬り飛ばされた聖剣。
ガブリエルの剣、"何でも斬れる"というデュランダルの威力だ。
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2013/07/06(土) 20:01:07.03 ID:6QX93pwdo
そのとき、
真奥「どっせーい!」
恵美「さ、貞夫っ!?」
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2013/07/06(土) 20:01:32.96 ID:6QX93pwdo
あいつの馬鹿もそこまでだった。
ガブリエルが貞夫を引き剥がし、放り出す。
飛んでいく彼を鈴乃が慌てて追っていった。
その光景を少し脱力しながら眺めていると、アラス・ラムスの問い。
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2013/07/06(土) 20:02:02.24 ID:6QX93pwdo
ゆっくりと、地面に向かって降りていく。
鈴乃「え、エミリアっ!?」
その私に向かって飛んできたベルは、脱力した身体を支えてくれた。
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2013/07/06(土) 20:02:34.98 ID:6QX93pwdo
千穂「遊佐さーん、お待たせしました!」
恵美「あ、千穂ちゃんごめんね、疲れてるところ呼び出して」
その日の夜、戦いの疲れをおして仕事を終えてから、バイト帰りの千穂ちゃんと待ち合わせた。
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2013/07/06(土) 20:03:06.26 ID:6QX93pwdo
真奥「……何しに来たんだよ」
愛想を尽かされたと思ったのか、千穂ちゃんと一緒にやってきた私の顔を見た彼は、少しの驚きと共にそう言った。
その表情は暗く、力を感じない。
手には、遊園地で三人で撮った写真。
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2013/07/06(土) 20:03:43.60 ID:6QX93pwdo
恵美「ねえ、考えたこともなかったでしょう? 旅人がお守りを大切に思ってたように」
恵美「お守りも旅人に大切にされることが何より嬉しかったこと」
恵美「そして、旅人を見守る他の人がいたこと。……旅人がいなくなったら悲しむ人がいたこと」
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2013/07/06(土) 20:04:20.17 ID:6QX93pwdo
恵美「あのね、仮に昨日あなたが犠牲になってガブリエルを追い返してたら、私やこの子がどれだけ悲しんでたと思うの?」
私がずっと苛立っていたのはそこだ。
彼は恋愛に疎いとは知っていたが、そういうレベルではないと分かった。
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