過去ログ - 上条恭介「キミの笑顔が好きだった」
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6: ◆/ZP6hGuc9o[saga]
2013/07/10(水) 01:31:57.53 ID:SJta8h95o
僕が入院してから、どれくらい経ってからだろうか。
ある日、お医者様に告げられた。
『もう、ヴァイオリンを弾くことは出来ないだろう』
7: ◆/ZP6hGuc9o[saga]
2013/07/10(水) 01:32:39.48 ID:SJta8h95o
そんな宣告をされた日にも、彼女はいつも通りお見舞いに来てくれた。
いつも通り、CDを持って。
特に好きでもないCDを、宣告された日に持って来られて、つい心にもない事を言ってしまった。
8: ◆/ZP6hGuc9o[saga]
2013/07/10(水) 01:34:23.05 ID:SJta8h95o
その日の夜だった。
ふと目が覚めた僕は、左手に妙な違和感を覚えた。
妙な、と言うと語弊があるかもしれない。
9: ◆/ZP6hGuc9o[saga]
2013/07/10(水) 01:34:58.87 ID:SJta8h95o
僕は、それに疑問を覚えることはなかった。
僕の心を締める思考はひとつ。
『これで、また、彼女を笑わせる為の演奏をすることが出来る』
10: ◆/ZP6hGuc9o[saga]
2013/07/10(水) 01:35:51.74 ID:SJta8h95o
翌日。
彼女は、その日もお見舞いに来てくれた。
しかし、様子がいつもと違う。
11: ◆/ZP6hGuc9o[saga]
2013/07/10(水) 01:36:42.14 ID:SJta8h95o
屋上には、僕の両親に、担当医師、数名の看護師さんがいた。
腕が治ったからと言って、僕に『それ』を渡してくれた。
これだ。僕が、ずっと欲してやまなかったもの。
12: ◆/ZP6hGuc9o[saga]
2013/07/10(水) 01:37:36.46 ID:SJta8h95o
演奏の日から数日後、更にうれしい知らせが届いた。
どうやら、退院出来る日が早まったらしい。
と言うのも、今までは左腕が動かなく、松葉杖が使えないということもあって完全に自力で歩けるようになるまでは退院出来ないと言われていた。
13: ◆/ZP6hGuc9o[saga]
2013/07/10(水) 01:38:45.20 ID:SJta8h95o
それから二日後、僕は退院した。
彼女は、演奏の日からは僕のお見舞いに来なくなっていた。
演奏の腕を問いただされなくてよかったと思う反面、少しだけ複雑な心境でもあった。
14: ◆/ZP6hGuc9o[saga]
2013/07/10(水) 01:39:41.74 ID:SJta8h95o
でも、実際は違った。
彼女は、何故か僕の事を避けている節があるような気がした。
まさか、彼女は病院の屋上でおこなった演奏に不満があったのだろうか?
15: ◆/ZP6hGuc9o[saga]
2013/07/10(水) 01:40:21.29 ID:SJta8h95o
僕の方から声を掛ける事はせず、また彼女の方からも声を掛けて来る事はなかった。
なんだか、壁が出来てしまったような錯覚にさえ陥る。
いや、大丈夫だ。僕の演奏の腕さえ前のようになれば。
16:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/07/10(水) 01:40:46.11 ID:55OITuei0
恭介……(;;)
恭介って悪く言われがちだけど
彼は実際には何一つ悪くないよな。
さやかのオカゲで腕が治った事も魔法少女の事も
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