140:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/07/29(月) 20:04:48.25 ID:WAoZDAQYo
 必要な会話のみ交わし、黙々と作業を続ける2人。 
 それをしばらく続け、それなりの作業量をこなし、 
 持っていた荷物を棚に置いたところでアルミンは大きく息を吐く。 
  
 短時間にこれだけたくさんの物を持ち上げたり運んだりしたのは、初めてかも知れない。 
141:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/07/29(月) 20:10:45.05 ID:WAoZDAQYo
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 アルミン「っ……しょっ、と……。はぁ、はぁ……」 
  
142:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/07/29(月) 20:17:36.29 ID:WAoZDAQYo
 自分は体力をつけるためにこの作業をしているはずだ。 
 体力をつけて強くなるために……。 
 しかし先程から、自分の情けなさを改めて突きつけられるばかり。 
 本当にこんなことをしていて自分は…… 
  
143:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/07/29(月) 20:23:00.54 ID:WAoZDAQYo
 アニは、少し高い場所にある荷物を取ろうとしていた。 
 しかしどうも地面からでは届きそうにないと知り、棚に脚をかけて取ろうとした。 
  
 その時だった。 
 棚の反対側には重量はかかっていなかったのか。 
144:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/07/29(月) 20:29:02.09 ID:WAoZDAQYo
 アニ「っ……!」 
  
 この位置、この体勢。 
 もう間に合わない。 
 受身を取るので精一杯……回避するのは不可能だ。 
145:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/07/29(月) 20:35:01.93 ID:WAoZDAQYo
 アルミン「良かった、無事みたいだね……」 
  
 あのアルミンが、自分を庇った。 
 予想外の出来事にアニは珍しくほんの少しだけ動揺した。 
 しかしあまりのんびりしていられない状況にあることはわかっていたので、すぐに落ち着きを取り戻す。 
146:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/07/29(月) 20:43:21.95 ID:WAoZDAQYo
 アルミン「えっと、じゃあ、左手を少し上げるよ」 
  
 アニ「……できるの?」 
  
 アルミン「かなりきついけど……。あんまり長い時間は無理だから、 
147:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/07/29(月) 20:48:08.10 ID:WAoZDAQYo
 アニ「っ……!」 
  
 アルミン「!? ……!?」 
  
 アルミンにはわけがわからなかった。 
148:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/07/29(月) 20:53:26.34 ID:WAoZDAQYo
 ……そんなことがあり得るのか。 
 それほど棚は不安定だったのか。 
 地震でも起こったのか。 
 風が吹いて棚を倒しでもしたのか。 
 それとも大宇宙の意志か。 
149:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/07/29(月) 20:59:21.16 ID:WAoZDAQYo
 アルミン「っ、ふー……ふー……!」 
  
 アルミンの呼吸は荒い。 
 この状況で、こんな狭い穴からしか酸素を取り入れることができないのは 
 流石に辛いとアルミンは感じた。 
150:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/07/29(月) 21:06:48.01 ID:WAoZDAQYo
 その瞬間アルミンの脳内に、この状況になる直前の光景がフラッシュバックした。 
 自分が今アニのどこに顔を押し付けているのか。 
 ほとんど無意識に、現状把握の一環としてアルミンは推理してしまった。 
  
 押し潰される直前、あの時自分の顔の位置にあったのは……アニの腹部。 
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