過去ログ - 八幡「だから…………さよならだ、由比ヶ浜結衣」
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481: ◆QiIiNKb9jA[saga]
2013/09/10(火) 21:52:11.93 ID:3xKNrynr0
そう言って由比ヶ浜はまた俺の方に手を伸ばしてくる。まぁ、慣れるためだからね。仕方ないね。俺が彼女の手を手袋

ごしに握ったところで、再び足を踏み出す。先を行く由比ヶ浜は、こちらをチラッと見てぽつりとつぶやく。

「なんか……手を握ってないと今日のヒッキーは……勝手にどこかにいっちゃいそうな気がしたから」
以下略



482: ◆QiIiNKb9jA[saga]
2013/09/10(火) 21:56:06.88 ID:3xKNrynr0
――――それにしても。

俺が由比ヶ浜と恋人同士になって、ディスティニーランドにデートに来て二人で手を繋いで歩いているというこの状況。

なんだか現実感があまりない。場所が場所だからだろうか…………まるで夢の中にでもいるみたいな気がしてしまう。
以下略



483: ◆QiIiNKb9jA[saga]
2013/09/10(火) 21:59:30.00 ID:3xKNrynr0

しばらく二人とも黙ったままで中を進んでいると、後ろからまたぽそっと声がかかったので俺は少し歩を緩める。

「さっきの話の続きなんだけど……」

以下略



484: ◆QiIiNKb9jA[saga]
2013/09/10(火) 22:03:00.99 ID:3xKNrynr0
由比ヶ浜は少し肩をすくめてそうつぶやいた。その言葉は褒めているわけでも貶しているわけでもなく、ただ俺の有り様

について素直に感じたことを口にしただけのことだったのだと思う。でも、そのことが俺にとっては何故かとても嬉しく

感じられた。俺の表情が緩んだのを見て、由比ヶ浜はふふっと笑った。そして、こう言う。
以下略



485: ◆QiIiNKb9jA[saga]
2013/09/10(火) 22:05:36.19 ID:3xKNrynr0
結衣は驚きながら照れるという器用なことをした。まぁそういう色々な表情を見たいから呼んでみたのも否定できないが。

しかし何もそこまで驚かなくても…………。俺の顔が少し曇ったのを見てすかさずフォローに入る。

「あ、いや、ごめん……少し驚いただけだし……うん…………ありがと」
以下略



486: ◆QiIiNKb9jA[saga]
2013/09/10(火) 22:08:03.38 ID:3xKNrynr0
呼び方談義が終了したところで、また二人で手を繋いで歩き出す。しばらくして、目的のアトラクションの入口が見えて

きて結衣のテンションも上がってきた。最後の方はほぼ走るようにして辿り着くと、もう結構な人の行列ができていた。

「人気アトラクションは開園直後でもこんななのか……」
以下略



487: ◆QiIiNKb9jA[saga]
2013/09/10(火) 22:10:25.09 ID:3xKNrynr0
まさかこんな列に並んでいる最中にのろけ話を要求されるとは思っていなかったので、俺は思わず彼女の顔を見る。俺の

反応を見て自分の言ったことの意味を自覚したのかポッと赤くなった。いや…………言いだしっぺに照れられても困るん

ですけど…………。
以下略



488: ◆QiIiNKb9jA[saga]
2013/09/10(火) 22:13:19.11 ID:3xKNrynr0
それからまた十数分が過ぎ、ようやくアトラクションに乗る場所に到達した。営業スマイルなんて月並みな表現をはるか

に超越したキャストの笑顔に戦慄を覚えつつ、案内に従って俺たちはライドに乗り込む。このライドにはレールも車輪も

見えないのだが、調べてみるとどうやら電磁誘導で決められたコースを動かしているらしい。夢を売るのにもまた技術は
以下略



489: ◆QiIiNKb9jA[saga]
2013/09/10(火) 22:16:34.20 ID:3xKNrynr0
待ち時間で結構時間を使ってしまったので、今からガイドツアーのスタート地点に戻るにはちょうどいい頃合いになって

いた。そのため、他のアトラクションには乗らずに再び歩き出す。しばらくすると、結衣がさっきの話を蒸し返してくる。

「ヒッキー……それで……さっきの話の……答えは?」
以下略



490: ◆QiIiNKb9jA[saga]
2013/09/10(火) 22:19:16.96 ID:3xKNrynr0
結衣はまだ何やら納得できていないような表情をする。というか、俺の言いたいことがイマイチ伝わってないような感じ。

俺はもっとわかりやすく説明するために、ある例を挙げることにする。

「まだお前が奉仕部に入って間もない時に、三浦や葉山とテニス勝負になったことがあっただろ?」
以下略



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