過去ログ - 八幡「だから…………さよならだ、由比ヶ浜結衣」
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858: ◆QiIiNKb9jA[saga]
2013/10/22(火) 22:42:33.54 ID:0BVq5QXS0
「えっと……これは、その……ヒッキーが奉仕部に戻った記念というか……あと、あたしの誕生日の時のお返し?みたい

な意味もこめて……奉仕部の備品にでもできれば、と……」

「由比ヶ浜さん……」
以下略



859: ◆QiIiNKb9jA[saga]
2013/10/22(火) 22:44:29.30 ID:0BVq5QXS0
緩衝材を取り除いて、中から出てきたのはガラスのコップだった。

側面にはディスティニーのキャラクターがあしらわれている。雪ノ下に渡されたのは、当然パンさんだった。

俺がディスティニーランドの城の中のガラス工芸の店で彼女にねだられて、恥ずかしいと言って一度は断ったものだ。
以下略



860: ◆QiIiNKb9jA[saga]
2013/10/22(火) 22:46:25.96 ID:0BVq5QXS0
「おい雪ノ下。お前なんてまだマシだぞ?俺なんてほれ……見ろ、HIKKYだぞHIKKY。引きこもりじゃねーっつの。

それにコップにニッキーマウスがついているから間違えて彫ったみたいになってんじゃねーか」

俺が言いたい放題言ってしまったので、由比ヶ浜は顔を膨らませてぷいっとそっぽを向いてしまう。俺のフォローが効いた
以下略



861: ◆QiIiNKb9jA[saga]
2013/10/22(火) 22:49:11.07 ID:0BVq5QXS0
俺が少し安心してふっと息を漏らすと、由比ヶ浜は雪ノ下から手を離してさらにこちらに顔を近づける。そして、上目

遣いで俺を見ながらこう続ける。

「ヒッキーもやっぱり…………このコップ使うの、恥ずかしい?」
以下略



862: ◆QiIiNKb9jA[saga]
2013/10/22(火) 22:51:28.03 ID:0BVq5QXS0

「これを使うのはとりあえずいいとしても…………ガラス製だから、温かい飲み物は入れられないわね」

「あっ……そ、そっか。ごめん、そこまで考えてなかった……」

以下略



863: ◆QiIiNKb9jA[saga]
2013/10/22(火) 22:53:41.84 ID:0BVq5QXS0
「……良かった。じゃあ、あたしたちのことも…………そうしてね?」

「……そういうことか。それは…………うん、重々承知しているつもりだ。由比ヶ浜、雪ノ下」

俺は彼女らの方を向いてそう答える。俺の言葉に、二人とも安心した顔になって微笑み返してくれた。
以下略



864: ◆QiIiNKb9jA[saga]
2013/10/22(火) 22:56:16.22 ID:0BVq5QXS0
「今回の勝負は、完全に私の負けよ。そもそも、平塚先生の依頼を比企谷くんが拒否したところから私とあなたの勝負は

始まったわ。私とあなたでどちらが人に奉仕できるか、とね。それであなたは相変わらず、更生することを認めていない。

それなら、おのずと勝負としてはどちらが人に奉仕できたのか?ということになる。その結果は火を見るより明らかよ。
以下略



865: ◆QiIiNKb9jA[saga]
2013/10/22(火) 22:58:48.80 ID:0BVq5QXS0
「比企谷くん」

「は、はい」

「比企谷くんは、その……“らしくない”私とは…………向き合ってくれないのかしら」
以下略



866: ◆QiIiNKb9jA[saga]
2013/10/22(火) 23:01:05.42 ID:0BVq5QXS0
しかし、雪ノ下の言う“命令”というやり方に、抵抗がないわけでもなかった。だから、俺は彼女にこんなことを尋ねる。

「でも…………いいのか?雪ノ下は俺がこれから言うことは把握しているとは思うが……こんなこと、命令しても……。

命令するような類のお願いじゃないし、それにもしお前がそれを望まないのであれば……」
以下略



867: ◆QiIiNKb9jA[saga]
2013/10/22(火) 23:03:35.47 ID:0BVq5QXS0
…………やっと俺はこの言葉が言える。

一度目は単なる拒絶。

二度目は今から思えば…………あれも照れ隠しだったんだろうか?
以下略



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