27: ◆iIfvn1jtvs[saga]
2013/08/19(月) 23:21:23.95 ID:15qp5q7N0
悔しい。
死ぬわけにはいかない。
ここで死ぬなんて、ごめんだ。
歯を食い縛り、渾身の力を込める。
28: ◆iIfvn1jtvs[saga]
2013/08/19(月) 23:23:27.03 ID:15qp5q7N0
突き刺す。
「があァァァァァ!!」
29: ◆iIfvn1jtvs[saga]
2013/08/19(月) 23:24:35.86 ID:15qp5q7N0
全ての光りを拒絶する漆黒の体。
背中からはえた黒い翼。
肉食獣を連想する凶悪な牙。
そして、燃えるような紅蓮の両目。
その姿は到底人を守る正義の味方からかけ離れていた。
30: ◆iIfvn1jtvs[saga]
2013/08/19(月) 23:25:22.63 ID:15qp5q7N0
今回はここまでです。
地の文が多くなってしまいました。
これが終わったらのんびりやっていきます。
31: ◆iIfvn1jtvs[saga]
2013/08/20(火) 21:25:56.68 ID:A3JfcJLv0
だが、蹴りは寸ででかわされ、空を切る。
蹴りの余波はビルの壁に一筋の傷をつけた。
「私に傷をつけるって、あなたって案外強いのね?」
32: ◆iIfvn1jtvs[saga]
2013/08/20(火) 21:27:49.43 ID:A3JfcJLv0
「あはは。あなたってとっても無骨で乱暴ね。でも――――」
その言葉をかき消したのは、青年の拳から伸びた一本の棘だった。
33: ◆iIfvn1jtvs[saga]
2013/08/20(火) 21:31:23.92 ID:A3JfcJLv0
彼女の左手が不気味に動く。
それは鎌首をもたげた蛇に似た物々しく、恐ろしい気配をはらんでいた。
「これは私からのプレゼント。あなたならとっても喜んでくれると思うの」
34: ◆iIfvn1jtvs[saga]
2013/08/20(火) 21:33:18.15 ID:A3JfcJLv0
彼女の左手が蠢く。
そして青年の内臓の一つを掴んだ。
「見つけた」
35: ◆iIfvn1jtvs[saga]
2013/08/20(火) 21:41:09.87 ID:A3JfcJLv0
「痛いでしょ。でも大丈夫。すぐに楽になれるわ」
彼女の屈託の無い笑顔が見えた。
無邪気で、心底楽しそうな。少女の様な笑顔が。
36: ◆iIfvn1jtvs[saga]
2013/08/20(火) 21:42:32.58 ID:A3JfcJLv0
魂の燃料は感情だ。
今、彼が再び蘇らせた戦意と名も分からぬ熱い感情はその材料としては十分過ぎる代物だった。
ひび割れた魂に大量の燃料が注がれる。
煮えたぎったそれが魂を大きく揺さぶる。
壊れかけの魂が再び、音をたて、動きだす。
212Res/143.57 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。