過去ログ - 後輩「わたしは、待ってるんですからね」
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2013/09/22(日) 16:34:50.99 ID:9lqdvaLCo
「おにいちゃん、わたしって、女の子?」
しばらく押し黙ったかと思うと、ふたたび口を開き、従妹は、突然、本当に突然、そんなことを言い始めた。
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2013/09/22(日) 16:35:20.45 ID:9lqdvaLCo
「女だよ」と俺はもう一度答えた。
「……うん」
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2013/09/22(日) 16:35:46.84 ID:9lqdvaLCo
つまりね、と従妹は話し始めた。
「わたしが女性であるための条件って、なんなんだろう?」
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2013/09/22(日) 16:36:13.79 ID:9lqdvaLCo
「肉体は"わたし"だけど、それは"わたし"じゃない」
「現実では、人の精神は人の肉体を離れたりしない」
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2013/09/22(日) 16:36:39.81 ID:9lqdvaLCo
「たとえば、俺がある朝目覚めると、同じ学校のクラスメイトBくんになっていた。
俺はBくんの家で目覚め、Bくんの制服を来て学校に行き、Bくんの席に着く。
そして本当の俺の身体の方にBくんの精神が宿っているのではないかと考える。
けれど、実際に俺の肉体と会話をしてみると、まるで俺とそっくりな喋り方、そっくりな態度、そっくりな考え方をしている」
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2013/09/22(日) 16:37:08.50 ID:9lqdvaLCo
「つまり、わたしが言いたいのは……」
「……言いたいのは?」
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2013/09/22(日) 16:37:40.00 ID:9lqdvaLCo
「つまり、わたしが言いたいのはね……」
「無理するな、って?」
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2013/09/22(日) 16:38:35.94 ID:9lqdvaLCo
「顔に出てるってことか」
「……顔に出すなってことじゃ、ない、よ」
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2013/09/22(日) 16:39:05.08 ID:9lqdvaLCo
「違う。俺は……」
「なに?」
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2013/09/22(日) 16:39:36.64 ID:9lqdvaLCo
「……そうだな」
と俺は言った。従妹の言うことは否定のしようがない。事実俺は、そのように考えていた。
彼女は少しの間考え込んでしまった。俺は何も言わずに続きを待った。
以下略
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