過去ログ - 後輩「わたしは、待ってるんですからね」
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2013/10/02(水) 18:43:40.64 ID:OhIxdLvyo
俺は今日も自己完結的で排斥的だった。
みんな俺のドアをいつものようにノックした。ある者は激しく、ある者はささやかに。
俺はそれらをひとつひとつ丁寧に断っていった。
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2013/10/02(水) 18:44:14.89 ID:OhIxdLvyo
「ああ」
「なに? 元気ないなあ」
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2013/10/02(水) 18:44:41.11 ID:OhIxdLvyo
「娘がそっちで迷惑かけなかった?」
「俺は何もしてないから」
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2013/10/02(水) 18:45:07.81 ID:OhIxdLvyo
「声が暗い気がするけど、なにかあった?」
「え?」
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2013/10/02(水) 18:45:34.34 ID:OhIxdLvyo
「余計なことは考えないでいいから、とにかくわたしの言う通りにしなさい」
叔母の声音は真剣なものに変わっていた。
以下略
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2013/10/02(水) 18:46:05.98 ID:OhIxdLvyo
叔母は溜め息をついて、沈黙を置いた。俺には居心地のいい沈黙だった。
けれど不意に、何かの話し声と、がさごそという物音が電話口から聞こえた。
「……あ」
以下略
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2013/10/02(水) 18:46:34.01 ID:OhIxdLvyo
「わたし? わたしは、べつに、普通かな」
「普通?」
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2013/10/02(水) 18:47:20.02 ID:OhIxdLvyo
「俺はおまえのことが好きだし、だからおまえには笑っていてほしいんだよ」
「……は?」
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2013/10/02(水) 18:47:54.02 ID:OhIxdLvyo
電話が切れてしまうと、自室は驚くほど静かに思えた。
俺は音の途切れた子機を見下ろしながら、頭に昇った血がさっと引いてくるのを感じた。
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2013/10/02(水) 18:48:28.23 ID:OhIxdLvyo
妹は俺の方を見ないでじっと床の上を見つめていた。何かを考えているようだった。
それからふと、どこか大人びた口調で、
「……従兄妹は、結婚できるもんね」
以下略
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