過去ログ - 後輩「わたしは、待ってるんですからね」
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572:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/10/02(水) 18:43:40.64 ID:OhIxdLvyo

 俺は今日も自己完結的で排斥的だった。
 みんな俺のドアをいつものようにノックした。ある者は激しく、ある者はささやかに。
 俺はそれらをひとつひとつ丁寧に断っていった。

以下略



573:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/10/02(水) 18:44:14.89 ID:OhIxdLvyo

「ああ」
 
「なに? 元気ないなあ」

以下略



574:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/10/02(水) 18:44:41.11 ID:OhIxdLvyo

「娘がそっちで迷惑かけなかった?」

「俺は何もしてないから」

以下略



575:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/10/02(水) 18:45:07.81 ID:OhIxdLvyo

「声が暗い気がするけど、なにかあった?」

「え?」

以下略



576:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/10/02(水) 18:45:34.34 ID:OhIxdLvyo

「余計なことは考えないでいいから、とにかくわたしの言う通りにしなさい」

 叔母の声音は真剣なものに変わっていた。

以下略



577:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/10/02(水) 18:46:05.98 ID:OhIxdLvyo

 叔母は溜め息をついて、沈黙を置いた。俺には居心地のいい沈黙だった。
 けれど不意に、何かの話し声と、がさごそという物音が電話口から聞こえた。

「……あ」
以下略



578:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/10/02(水) 18:46:34.01 ID:OhIxdLvyo

「わたし? わたしは、べつに、普通かな」

「普通?」

以下略



579:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/10/02(水) 18:47:20.02 ID:OhIxdLvyo

「俺はおまえのことが好きだし、だからおまえには笑っていてほしいんだよ」

「……は?」

以下略



580:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/10/02(水) 18:47:54.02 ID:OhIxdLvyo

 電話が切れてしまうと、自室は驚くほど静かに思えた。
 
 俺は音の途切れた子機を見下ろしながら、頭に昇った血がさっと引いてくるのを感じた。

以下略



581:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/10/02(水) 18:48:28.23 ID:OhIxdLvyo

 妹は俺の方を見ないでじっと床の上を見つめていた。何かを考えているようだった。
 それからふと、どこか大人びた口調で、

「……従兄妹は、結婚できるもんね」
以下略



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