26:以下、新鯖からお送りいたします[saga sage]
2013/09/15(日) 08:39:57.27 ID:KoVYOW1+o
昼食は相変わらず俺は貴音とラーメンを食べた。とは言っても二日目なのだが、貴音は黙々とラーメンを啜り俺は資料を作成しながらゆっくり食べていた。
当然貴音に奪われていたのは言うまでもない。まあ大盛りは昼に食うものじゃないとわかっていたので、貴音が食べてくれるのはありがたい。
うさぎが俺のラーメンを食っている光景を律子が見たらどう思うか。そう思ったことはもう何度目やらであり、まあ律子なら目を丸くして音無さんは納得してしまいそうである。
どういう答えをするのか。答えは律子も音無さん、どっちも同じ反応をするんじゃないのかと思うのだが、今日も2人でたるき亭で昼飯を食べに行ってしまった。
社長はふらっと来てはふらっとどこかに行ってしまう風来坊なので昼飯に野郎と飯食うためにわざわざ戻ってくるわけがないだろう。
27:以下、新鯖からお送りいたします[saga sage]
2013/09/15(日) 08:40:48.40 ID:KoVYOW1+o
アイドル達がぼちぼちと事務所にやって来た。そして来ると同時に俺の胸ぐらをつかんだりゆすったりしてしっかりしろと言ってきた。中には泣きながら抱き着いてきたアイドルもいた。さて、どうしてこうなったのか。
答えは朝の会話のことだろう。音無さんがそれをアイドル達に伝え目を覚ませというように喝を入れさせようとしたのだろう。
別に壊れてるわけや廃人になっているではないのに何故俺が悪者に見えてしまうのだろうか。その原因で俺は伊織にぶん殴られた。
ただ、救いと言えば貴音いや、この場合はうさぎの方が良いだろう。うさぎが伊織達に没収されなかったことである。
理由としては伊織達にはこのうさぎが俺をかばうように寄ってきたから手を出せなくなったという。俺からするとバニー貴音がすぐに大丈夫ですかと声をかけてきてくれた。
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2013/09/15(日) 08:42:10.58 ID:KoVYOW1+o
「なあ、貴音の家って今どんな状態」
「わたくしの家ですか?」
「そーそー。朝起きてその格好で慌ててたんだろ?」
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2013/09/15(日) 08:42:50.60 ID:KoVYOW1+o
結局、家に来たが何も成果は得られなかった。
一応着替えろというのは貴音には酷なのでうさ耳を外してもらったところやはり不可思議な声や本棚の本が落ちる現象が起こった。
まさか、本当だったとは俺は思っていなかったのですぐに付けた。実際に遭遇するとポルターガイストっていうものは結構怖い。
今日はもう一度俺の家でも外してもらおう。そうすればこの部屋だけ除けば普通の服に着替えることが可能であるからである。
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2013/09/15(日) 08:43:45.56 ID:KoVYOW1+o
俺の家に帰ってきて(ちゃんと貴音の家は鍵をかけた)外したが結果は同じだった。声は聞こえるようだし、茶碗が落ちて割れるは後片付けが大変だったと言える。
そんなわけで今日わかったことは貴音の家以外でも起こる。俺は精神が結構壊れていると思われていることだけである。とはいえっても後者は音無さんの妄想に尾ひれがついたのだが。
さて、もうすぐ一週間になる。
実は今日の営業の打ち合わせ先で貴音をグルメ番組に呼びたいとディレクターが言っていた。その時聞いていたうさぎのこと貴音はにんまりしていたようなのだが、本物のうさぎがやっていたらどう反応するか。食べられても文句は言えまい。
31:以下、新鯖からお送りいたします[saga sage]
2013/09/15(日) 08:44:45.43 ID:KoVYOW1+o
貴音がうさぎになって五日目。
朝の番組を見ていたら芸能ニュースのトップに貴音が行方不明というニュースが上がっていて思わず、牛乳を吹き出してしまった。とうの貴音は「面妖な」と呑気にお茶を啜っていた。
どうやら俺を追い返した昨日のうちに社長が発表したらしい。ファンにも見つけてくれたらラーメン探訪のゲスト出演させてもらえる豪華なお礼までも用意していたようである。
悪くはない。ということは今日の打ち合わせなどは結構大変かもしれない。
しかし、精神壊れていると思われている俺を営業先に向かわせるのかがわからないのか。
32:以下、新鯖からお送りいたします[saga sage]
2013/09/15(日) 08:45:35.02 ID:KoVYOW1+o
今日はやたらアイドル達が話しかけてくる。おそらく、うさぎが貴音じゃないことを気付かせるためであるなのだが、ぶっちゃけると話がめちゃくちゃ内輪すぎてついていけない。
春香と千早の場合はクラスメイトの話。雪歩はお父さんとお父さんの部下の話。伊織は生徒会の話とうんとかへーとかの相槌しか打てない。
なので、面白いツボがわからなかったり、だから何という。
そんな話をしている間、貴音がなんか拗ねていたのでアイドルの間に入って膝に座ってきた。
微笑ましい光景だが、貴音が座っているのは結構理性にダメージが大きい。せっかくバニー貴音に慣れてきたというのに密着されるとやはり俺は弱かった。
33:以下、新鯖からお送りいたします[saga sage]
2013/09/15(日) 08:46:15.33 ID:KoVYOW1+o
貴音がうさぎになって3週間が経った。
一向に見つからない貴音に警察も動き出した。正確には社長が前もって伝えていたのだが、ここまで見つからないとなるとさすがに手抜き操作は出来ないといった感じだろう。
アイドル達も心配していて普段の事務所から笑顔と笑い声を引けば今の事務所の雰囲気が出来上がる。
特に響が一番酷く、遂にレッスンの最中に倒れてしまったのだ。その報告をうさぎの状態で聞いていた貴音は家に帰ってから泣いた。その貴音を抱きしめるしか出来ない俺は久々に事務所の壁をぶん殴った。
34:以下、新鯖からお送りいたします[saga sage]
2013/09/15(日) 08:47:10.73 ID:KoVYOW1+o
そんな支配が少しずつ大きくなりはじめ葛藤することが続いているある日の帰り。
荷台に乗る貴音がぎゅっと思いっきり抱き着いてきた。普段は落ちない程度に抱き着くのだが、今日のはいつもと違う。
そろそろ限界なのだろうか。それともこちらの環境に適応してきてしまったのか。そう思う反面、これが制服だったら青春なんだろうなぁーと思った。
いや、違った。
どうやらお月見でもしたいようで、団子を買って欲しいとねだってきたのである。
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2013/09/15(日) 08:48:15.08 ID:KoVYOW1+o
「ここの神社でどうでしょうか?」
「……ここか。まー確かに神主さんいない寂しい神社だけどお月見にはもってこいだな」
「ふふふ。覚えていますか?」
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2013/09/15(日) 08:48:44.43 ID:KoVYOW1+o
鳥居を潜り境内に入る。本当は清めるために手水舎に向かうのが正しいのだが、生憎ここの神社はその手水舎の水が出ない。だから直接拝殿に向かう。いや、本殿と言ったほうが良いのか。一般的に神社は手前に拝殿で、奥に本殿があるのだが、小さい位神社は本殿と拝殿が一緒の神社がある。
今回貴音と二人っきりでお月見をする場所は本殿と拝殿が一緒の神社である。小さいとは言っても手水舎があるのでちょっとは大きいのだろう。
ちょっと脱線するが神社には鳥居・拝殿・神殿が必ずある。それだけだが、こういう話は貴音のドラマのための前知識として頭に詰め込んできた。もちろん脚本家の話に合わせるためと貴音と確認するためである。
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