15: ◆ttske0ubhFi9[saga]
2013/10/07(月) 14:43:36.15 ID:uDlNoJil0
「怖い?」
『うん。私がこうして当麻くんとお付き合いしてることは、すごい幸せだなぁって思うの。でも』
「……」
16: ◆ttske0ubhFi9[saga]
2013/10/07(月) 14:44:46.37 ID:uDlNoJil0
『……当麻くん』
「アリサ、今駅だったよな?今から迎えに行くよ。そっちには『セブンスミスト』もあるし、デートはふつうに出来る」
『え? でも、当麻くんがプラン考えてくれてて……』
17: ◆ttske0ubhFi9[saga]
2013/10/07(月) 14:45:43.48 ID:uDlNoJil0
* * *
鳴護アリサは、一足先にセブンスミストにたどり着いていた。
18: ◆ttske0ubhFi9[saga]
2013/10/07(月) 14:48:00.42 ID:uDlNoJil0
* * *
上条と合流したアリサは、早速もご機嫌だった。
彼女は最近、路上ライブで有名になり始めてきた新人アーティストだ。
19: ◆ttske0ubhFi9[saga]
2013/10/07(月) 14:49:01.02 ID:uDlNoJil0
「それにしても、今日は珍しい格好だな。確かにいつも白系の服だけど、今日はピンクっぽい感じだし」
「あ、気づいてくれたんだ。今日の為に、ね。似合うかな……?」
首をかしげながら身長差のある上条を間近で見上げると、それは自然と上目遣いに見える。上条はそんな男殺しの表情にゴクリと一度喉を鳴らしてから、平静を保って言う。
20: ◆ttske0ubhFi9[saga]
2013/10/07(月) 14:50:12.92 ID:uDlNoJil0
と、アリサの目線が一ヶ所に留まった。小さく漏れた声に上条が気づき、その視線を追う。
「アクセサリー店?入るか?」
「え?でも」
21: ◆ttske0ubhFi9[saga]
2013/10/07(月) 14:51:20.00 ID:uDlNoJil0
やっぱり、と、アリサが懸念していたことが起きた。
上条当麻は、基本的に優しい。その本質は見返りを求めない。それは勿論、彼女であるアリサへも例外ではない。アリサは、自分が欲しいと言えば彼が無理してでも何かを買ってくれることを、自惚れではなく理解している。
だから。
22: ◆ttske0ubhFi9[saga]
2013/10/07(月) 14:52:57.56 ID:uDlNoJil0
彼氏として。
彼氏。
そんな甘い言葉に、アリサの我慢メーターは臨界突破だ。
23: ◆ttske0ubhFi9[saga]
2013/10/07(月) 14:54:13.40 ID:uDlNoJil0
* * *
楽しい時間というのは、すぐに終わってしまうというものだ。かの偉人が唱えたように、暑い中ストーブの前に居続ければ長く感じるし、電車で可愛い女の子が隣に座っているとなぜか早く目的地についてしまう。世界とは実に損な仕組みだと、上条は心の中で嘆く。
24: ◆ttske0ubhFi9[saga]
2013/10/07(月) 14:55:23.71 ID:uDlNoJil0
「はは、学園都市の精度は世界でもピカイチなのに、奇蹟みたいだな。アリサの照る照る坊主のお陰じゃないか?」
「あ、そうかも。えへへ、一生懸命作ったもん」
実は彼女の部屋には、男を模したものと女を模したものが二つ並んでぶら下がっているのだが、それは伏せておく。何を指すのかは、もはや語るまい。
25: ◆ttske0ubhFi9[saga]
2013/10/07(月) 14:56:44.24 ID:uDlNoJil0
「……あっ、流れ星! アーティストとして成功しますように、成功しますように、あっ、でも当麻くんとも……ああ、消えちゃった!」
「へえ、アリサって、流れ星の願い事とか信じてるんだな」
「うーん、どうせなら、願わないよりはましかなー、って」
26: ◆ttske0ubhFi9[saga]
2013/10/07(月) 14:57:56.65 ID:uDlNoJil0
「アリサの歌声は、本物だ。インデックスもさ、ああ見えて、実はかなり歌にはうるさいんだぜ?」
「そうなんだ、えへへ。……ありがと、当麻くん」
「おう。……さ、もう遅いし、帰ろうぜ、アリサ」
27: ◆ttske0ubhFi9[saga]
2013/10/07(月) 14:59:09.40 ID:uDlNoJil0
数ヶ月後。
上条当麻の元に連絡が来た。
とある新興事業のためにと、専属アーティストとして、アリサが雇われたという話だ。
28: ◆ttske0ubhFi9[saga]
2013/10/07(月) 15:00:30.03 ID:uDlNoJil0
使い古された照明や音響機器は、しかし一目見れば高級で、その道のプロ達の歴史が刻み込まれている、そんな世界。そんなステージ。
鳴護アリサは、そのステージ中央で、巨大なディスプレイをバックに立っていた。
数々の照明は、彼女の左手の青いブレスレットを始め、衣装の様々な装飾も煌めかせている。
そして、並べられた音響機器から、彼女の声が会場内に響きわたった。
29: ◆ttske0ubhFi9[saga]
2013/10/07(月) 15:01:50.73 ID:uDlNoJil0
終わりです。読んで頂けた方、ありがとうございました。
これを機にアリサを知った、また好きになって頂けた方が居られれば幸いです。
30:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/10/07(月) 15:35:42.07 ID:rW+t8tVS0
乙でした
31:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/10/07(月) 15:40:19.09 ID:nnlen23v0
乙乙
32:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/10/07(月) 17:25:32.33 ID:ou94ywVQ0
乙。
後日談とかはないの?
33: ◆ttske0ubhFi9[saga]
2013/10/07(月) 17:33:35.29 ID:uDlNoJil0
閃きとか需要次第ですかね……後日談、続編、どのような形になれど、このスレはhtml化依頼出してあるのでやるなら新スレになるかと思います
34:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/10/07(月) 17:39:50.09 ID:zLblC7zJO
荵吶〒縺励◆
35:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/10/07(月) 19:20:44.69 ID:vxUVQpiz0
乙っしたァァァああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!
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