1:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/10/15(火) 23:17:54.05 ID:tmKvoZNx0
こんばんは。
フェスのAP待ちの暇つぶしにでも読んでいただければ幸いです。
前作というか初作品はこちら
モバP「誕生日おめでとう!」奈緒「……ここ何処よ」【モバマス】
ex14.vip2ch.com
ですが、お読みにならずとも支障はございません。こちらもお時間に余裕のある方はどうぞ。
それでは、マイペースですが気長にお付き合いいただければ。
SSWiki : ss.vip2ch.com
2:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2013/10/15(火) 23:18:48.49 ID:tmKvoZNx0
ガチャッ
藍子「おはようござ――」
ちひろ「し〜〜っ!!」
3:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2013/10/15(火) 23:21:36.02 ID:tmKvoZNx0
藍子「……?」
一体なんなのか訳もわからず、とりあえずその画面を少しの間見つめていると、
藍子「!?」
4:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2013/10/15(火) 23:24:19.94 ID:tmKvoZNx0
やり過ぎを咎めようとした言葉は遮られ、ちひろさんが珍しく驚いたというその興味のままに、思わずモニターに見入ってしまいます。
そこに映っていたのは、何時も困った時にしている、頭を掻く仕草のまま固まってしまっているプロデューサーさんと、真剣な顔で湯呑を見つめる女の子の姿でした。
……あれ?
5:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/10/15(火) 23:27:20.53 ID:m/AyeT97o
期待!
6:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2013/10/16(水) 00:12:17.33 ID:zUbyibty0
ちひろ「さっきまではミュートにしてたけど、流石に気になって仕方ないでしょ?」
驚いてちひろさんの方を見ると、そんな答えが帰ってきました。
プライバシーを侵害していることに罪悪感こそありましたが、このまま見なかったことにするにはあまりに後味が悪い気がして、おとなしくこの覗き行為を続けることにします。
7:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2013/10/16(水) 00:30:31.20 ID:zUbyibty0
少し違ったのは、聞き手のリアクションがなくて話が途中で切れてしまったこと。
長い黒髪が綺麗な彼女は、プロデューサーさんが話していることに気付いてすらいないかのように湯呑を見つめ続けていました。
決して微動だにしないわけではなく、湯呑を回してみたり逆さにしてみたりという動作はありましたが、そこに余人がいるような雰囲気はなく、或いは敢えて無視しているのでは、という感さえよぎってしまいます。
8:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2013/10/16(水) 00:41:20.56 ID:zUbyibty0
『……えっと、何の話?』
話を振ったはずのプロデューサーさんが混乱している様子を、彼女もまた何が起きているのかわからないといった表情で見つめていました。
9:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[sage]
2013/10/16(水) 00:51:07.09 ID:zUbyibty0
加蓮「全然人増えないねー」
何時かの事務所での会話が思い起こされます。
奈緒「美嘉を追っかけてきた莉嘉と、私、加蓮がほとんど同じ時期に入ってきて、それ以降音沙汰なしか」
10:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2013/10/16(水) 00:52:06.83 ID:zUbyibty0
卯月「えっと、どういうことですか?」
プロデューサーさんのその一言の真意は、その時は誰もわからなかったと思います。
数瞬の沈黙の後、卯月ちゃんが考えあぐねたかのように声をあげると、未央ちゃん、莉嘉ちゃんも同調しました。
11:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2013/10/16(水) 01:07:41.96 ID:zUbyibty0
その一幕をはっきりと覚えているからこそ、このことは思わず声をあげてしまうほどの驚きでした。
それはつまり、私達が羽ばたき始めたことの証であり、少々のことでは揺らがないとプロデューサーさんが信じてくれるという証なのですから。
そんな喜びの傍で、プロデューサーさんと彼女の会話は続いていました。
12:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2013/10/16(水) 01:19:17.01 ID:zUbyibty0
『その、モバPさんのお話を聞いていて、とても楽しそうだな、って思ったんです』
『うん、そう言ってくれて嬉しいよ』
『でも、少しだけ不安があって、それこそこっちで頼れる人も居ませんし……』
13:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2013/10/16(水) 01:27:21.74 ID:zUbyibty0
一身上の都合で一旦ここで区切らせていただきます。
明晩に続きをここで。
必ずや書き終えますので、お許しいただければ。
14:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/10/16(水) 11:14:02.72 ID:2FNUmii/o
乙期待
15:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2013/10/16(水) 22:26:00.43 ID:g5eQb5UG0
遅くなってしまいましたが、続きをば。
ごゆるりとお付き合いいただければと思います。
16:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2013/10/16(水) 22:27:25.04 ID:g5eQb5UG0
モバPさんの見せる困惑の原因がわからず途方にくれていると、コンコン、と優しいノックのあと、同年代と思しき女性がティーセットを片手に入ってきました。
「お、ありがとな藍子。レッスンは終わったのか」
「はい、順調だ、って、言っていただきました」
17:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2013/10/16(水) 22:38:22.13 ID:g5eQb5UG0
「ちひろさんか……」
「はい……ごめんなさい……」
「いや、悪いのは藍子じゃないから」
18:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2013/10/16(水) 23:19:55.59 ID:g5eQb5UG0
「藍子さんは、アイドルなんですか?」
「ふぇ!?」
「も、勿論そうだぞ!あ、まだ駆け出しだからお金とかそういうのは……」
19:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2013/10/16(水) 23:51:04.80 ID:g5eQb5UG0
「いえ、何でもありません」
そう言いながらも、藍子さんは「見ていた通りのすれ違いを再現されるとは思ってもいなかったので……」と目に軽く涙を浮かべながら口許を隠して笑います。
ひとしきり笑って落ち着いたのでしょう、藍子さんは目許の涙を白く綺麗な指先で拭いつつ、
20:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2013/10/17(木) 00:26:54.63 ID:vBZcu7uY0
そんなやりとりで微笑を浮かべる藍子さんは、仕草の一つ一つに自然な柔らかさがあって、気の置けない相手と居る茶室のような、澄んでいながらも長閑なというか、形容のし難い落ち着いた雰囲気がこの場に満ちていくのを感じます。
同時に、相応に年長者であるはずのモバPさんが自然に謝罪と感謝の言葉を発していたことに、びっくりしてしまいますした。私の周りではほとんど見られない光景でしたから。
きっと、この二人は言葉数が少なくてもお互いに居心地の良い空間を醸成するのでしょう。
その後のやり取りも含めて、年齢差に拘らない二人の信頼関係が見えた気がして、それを少なからず羨ましく思う自分に驚きつつ、それこそが自分の考えが正しいことの証左でもあると気付きます。
21:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2013/10/17(木) 00:45:48.23 ID:vBZcu7uY0
そんな気持ちまで伝わってしまったのか、少しはにかむように言葉なく微笑む藍子さんに代わり、横からモバPさんが問いかけてくる。
「藍子が優しいのは全力で同意するんだけどさ、藤原さんはどうして俺まで『良い人』だって?」
もしかしたら俺、アイドル目指してる女の子を捕まえて食べたり売ったりしてる大悪人かもよ?なんていかにも真剣な顔をして言われ、思わず少し噴き出してしまいました。
29Res/21.52 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。