過去ログ - 亜美「錯覚のレンアイ」
1- 20
1:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/11/14(木) 19:23:43.75 ID:oOqsUv+5o
「亜美っ、 亜美っ……」

絞るような甘い声と小さな水音が、深夜のひっそりとした部屋に響く。

あぁ、今日も私は片割れの想いに目を閉じ、耳を塞ぐのだ。


SSWiki : ss.vip2ch.com



2:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/11/14(木) 19:26:17.37 ID:oOqsUv+5o
私と真美は生まれた時から一緒だった。一応は真美の方がほんのちょびっとだけお姉さんらしいが、そんなものは些細なことだ。

双子として産まれ、起きるのも、ご飯を食べることも、寝るのも一緒。ママやパパに甘えるのだって一緒。学校へは並んで行ったし、勉強も向かい合わせでやった。

本当にずっと離れなかった。
以下略



3:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/11/14(木) 19:28:41.06 ID:oOqsUv+5o
それを見つけたのは多分私だったはずだ。

どこのバカが持ってきたのか、表紙を艶めかしい表情の女性が飾っている、いわゆるエッチな本が教室にあったのだ。

私たちがもう少し純真なら、或いはもう少し真面目なら、ばっちいからと蓋をして先生に密告する選択肢もあったろう。
以下略



4:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/11/14(木) 19:30:25.45 ID:oOqsUv+5o
過ちの原因の本は次の日朝早くに学校に登校して元あった場所に戻した。これでまた普段の生活になる。何となく雰囲気に呑まれ、何となくやってしまったことだ。無かったことにしよう。

そうなれば良かったのに、そうはならなかったのが悲劇の始まりだ。

記憶に刻み込まれてしまったこの日の興奮は暫く私達の中で燻り続け、人目を盗んでのキスが増え、胸や性器を触り合うこともするようになってしまった。
以下略



5:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/11/14(木) 19:34:46.51 ID:oOqsUv+5o
錯覚が終わったのは、記憶に残っていた幼い興奮も薄れ始めた頃。触られる気持ち良さは既に覚えていて、幼い性欲を満たし合っていた頃だ。

何と言うことはない。授業で知識としての性をきちんと知っただけのこと。

なるほど、あの本に書いてあったことは子作りのことで、男性の陰茎が女性の膣内で精巣内で作られた5000万から1億にもなる精子を放出(膣内射精)すると、精子は卵巣にある原始卵胞が成熟の最終段階に入り排出(排卵)された卵子がある場所の卵管先端部を目指して中心部で作られるエネルギーを消費して後部のべん毛を運動させ、そして一番早く辿り着けた精子が卵と受精卵を成して子宮内膜の一ヶ所に張りついて着床が完了すれば妊娠となる。
以下略



6:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/11/14(木) 19:39:18.02 ID:oOqsUv+5o
ある夜のことだ。

その日は疲れているにも拘らず眠ることが出来ずにいて、ベットの中で何度も寝返りをうっていた。

草木も寝静まる頃合いにようやく眠気が身体を覆いはじめ、ふんわりとした心地に意識も手放そうとした時「亜美、もう寝た?」と真美が聞いてきた。
以下略



7:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/11/14(木) 19:41:03.36 ID:oOqsUv+5o
真美の想いを知ってから、私はそれまで以上にもがくようになった。

格好良い男の人を見つけたら良いね、と言ってみたり、格好良くて優しそうな人が居たら真美が近付けるように背中を押してみたり。

自分は一生この恋に溺れたままだろうとは予想が出来ていて、とにかく真美が良い人を好きになってくれるようにひたすらに祈った。
以下略



12Res/10.49 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice