過去ログ - 碇シンジの日常
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86: ◆Q2Rh6LUPmsVj[saga]
2014/03/03(月) 18:24:30.51 ID:bH+Tcx6s0
ゲンドウとケンスケの初めての出会いは山の中だった。

夏休みのとある日、カヲルとの都合が合わなかったケンスケは仕方なく一人でサバゲーをしていたのだが、そこでゲンドウを見つけたのだ。

ゲンドウはパジャマ姿で、湖のほとりで体育座りをしながら、水面を寂しそうにじっと眺めていた。
以下略



87: ◆Q2Rh6LUPmsVj[saga]
2014/03/03(月) 18:31:55.58 ID:bH+Tcx6s0
そして、その日の夕方近く。

テントで野営する用意を整え終えたケンスケは、夕食のカレーを作るまでの間、余りに退屈だったのだろう。ふとゲンドウの事が気になった。

そこで軽い散歩がてら湖のほとりにまで行ってみると、驚いた事にゲンドウはまだそこにいた。
以下略



88: ◆Q2Rh6LUPmsVj[saga]
2014/03/03(月) 18:34:18.76 ID:bH+Tcx6s0
テントへ戻ると、ケンスケとゲンドウは二人でカレーを作り、二人でカレーを食べ、二人で後片付けをした。

腹が満たされれば心も満たされる。

長い間、ずっと無言だったゲンドウも、夕食を食べ終えた頃にはぽつりぽつりと自分の事を喋り始めていた。
以下略



89: ◆Q2Rh6LUPmsVj[saga]
2014/03/03(月) 18:35:55.30 ID:bH+Tcx6s0
本来なら、ゲンドウは今頃、月面のタブハベースへと視察に行くべく、スペースシャトルで月面軌道に乗っているはずだった。

しかし、彼はその大事な日に遅刻した。

その原因は寝坊だった。
以下略



90: ◆Q2Rh6LUPmsVj[saga]
2014/03/03(月) 18:36:49.59 ID:bH+Tcx6s0
つづく


91:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[sage]
2014/03/03(月) 18:54:02.66 ID:LCcLRsSko
深いな・・・・・
何が深いのかわからんけど


92: ◆Q2Rh6LUPmsVj[saga]
2014/03/04(火) 18:19:17.02 ID:pV7V1bap0
とにもかくにもそういった事情によりネルフにも顔を出し辛くなったゲンドウは、安息の地を求めてさ迷う仔羊の如く、色々な所を歩き回った末にこの山へとたどり着いた。

きらきらと美しい輝きを放つ湖畔の静けさと、たまに聞こえてくる鳥たちの歌声とが彼の心に安らぎを与えたのだ。

しかし、幾分か心の傷が癒されたところで、水面に映る自分はパジャマ姿であり、おいてけぼりにされたという事実に一切変わりはない。
以下略



93: ◆Q2Rh6LUPmsVj[saga]
2014/03/04(火) 18:21:10.21 ID:pV7V1bap0
それから二人は電話番号を交換し、その日はテントで一緒に寝た。

ケンスケは無論寝込みを襲うような真似はしなかったが、彼の心はどことなく満たされていた様な気がする。

それはカヲルと一緒に寝る時の様な、激しい満たされ方ではなかったが、ケンスケはそこに安らぎと安心感を見いだしたのかもしれない。
以下略



94: ◆Q2Rh6LUPmsVj[saga]
2014/03/04(火) 18:24:01.28 ID:pV7V1bap0
「ごめん、話が逸れたな、碇。本題はここからでさ」

この時、シンジのLIFEは既に0を大きく下回っていたが、ケンスケは話に夢中で気がつかなかった。

ゲンドウへの熱い想いを頬を染めて語るケンスケは、純情で穢れを知らぬ乙女にも、死者に鞭を打つ冷酷な処刑人の様にも見えた。
以下略



95: ◆Q2Rh6LUPmsVj[saga]
2014/03/04(火) 18:25:35.39 ID:pV7V1bap0
親が子供を想わない訳がない。

子供が親を想わない訳がない。

ただ、それに気が付きにくいだけの話だ。
以下略



96: ◆Q2Rh6LUPmsVj[saga]
2014/03/04(火) 18:27:39.83 ID:pV7V1bap0
ふと、弾むような足取りが聞こえた。

その足音と共に体操服を抱えたアスカがハァハァ言いながらシンジの元へと駆けつけた。

「ほら、シンジ。持ってきてあげたわよ。感謝しなさいよ」
以下略



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