過去ログ - 千早「先生と私」
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8:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga]
2014/03/02(日) 20:36:35.29 ID:bEFC5GTXo
 翌日、私は練習を休んだ。旧校舎には寄らず、げた箱から昇降口を出て五月の夕方を泳いで行った。

 いつもよりちょっと遠回りの道を歩いていく。道行く人の顔ぶれも全然違う感じがした。
いつもの時刻、いつもの道ですれ違う人々のことを覚えているわけじゃなかったけど、
やっぱりいつもとは違う感じがした。
以下略



9:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga]
2014/03/02(日) 20:37:53.02 ID:bEFC5GTXo
 さて、次は"いーえるぴー"だ。

 とりあえず、同じ邦楽の"い"の欄を探す。無かった。
 "え"の欄を探して、結局こちらも見つからなかった。

以下略



10:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga]
2014/03/02(日) 20:39:09.90 ID:bEFC5GTXo
 あった。"展覧会の絵"と印刷された背表紙。そのアルバムを外側のケースから抜き取って、スピッツに重ねた。

 なんとなく、ELPのアルバムをもう一枚重ねた。
"恐怖の頭脳改革"という妙なタイトルが気になったのだった。

以下略



11:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga]
2014/03/02(日) 20:39:54.15 ID:bEFC5GTXo
 昨日借りたのは、"当たり"だった。アイアン・メイデンとポリスは元々好きだったし、
今度安いのを見つけたら買っておこうと決めた。

 スピッツとELPはどれから聴くか迷って、
まず、"恐怖の頭脳改革"をプレーヤーにセットした。
以下略



12:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga]
2014/03/02(日) 20:41:21.06 ID:bEFC5GTXo
 さて、私は基礎練習は毎日同じ量をこなす。
今日も同じ量をこなしたが、いつも楽しくてじっくりやれる練習に何かじれったさを感じた。

 練習を切り上げて、自由時間に入る。
今の気分は――決まっている。今の気分は昨日の夜から、決まっている。
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13:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga]
2014/03/02(日) 20:42:27.92 ID:bEFC5GTXo
 歌い終わると、先生は盛大な拍手を送ってくれた。
二か所、音程がぐらついたのと、ビブラートがへろついたのとで、私は自分の歌に不満だった。

「いや、如月、すごいよ。素敵だ」
「でも……ミスしました」
以下略



14:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga]
2014/03/02(日) 20:43:07.46 ID:bEFC5GTXo
「辞めました。つい、一週間くらい前に」
「そうか。……でも、練習は続けるんだな」
「まずいですか?」
「いや……まずいってこたない」

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15:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga]
2014/03/02(日) 20:44:12.72 ID:bEFC5GTXo
「合唱部なら色々と学ぶこともあるかと思ったんですけど、あの調子ですから」

 先生は目を細めた。あの調子、を想像しているのかもしれない。

「ここで練習、しても構わないですよね?」
以下略



16:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga]
2014/03/02(日) 20:45:23.71 ID:bEFC5GTXo
 先生は暇なときは私の練習を見に来た。時々、忙しくて来られないこともあったけど、
歌は職員室でしっかり聴いていると言っていた。

 先生が練習を見に来ている時、今まで通り気分で選曲して歌う他に先生のリクエストを受けることもあった。
ちょっと前なら、鬱陶しいのであっち行ってください、くらい言っただろうけど。
以下略



17:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga]
2014/03/02(日) 20:46:19.73 ID:bEFC5GTXo
「こ、声ですか」
「うん。どうした。顔が赤いけど」

 先生は苦笑いして、私の赤面を指摘した。

以下略



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