過去ログ - 上条『異能の力なら、どんな幻想だってぶち殺して見せる』
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158:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga]
2014/03/13(木) 17:19:14.61 ID:a2xbEWtP0
ともかく、6月に入ってもまだなかなか橙子さんが戻らないので、僕はまた泣く泣く垣根君に頭を下げて借金をしなければならないのかと思案していたところ、橙子さんが昨日突然ひょっこりと戻ってきていた。
――――なぜかトラックで。

昨日は仕事が山場だったので、定時で切り上げてからは疲れ果ててすぐに帰ってしまったけれど。

以下略



159:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga]
2014/03/13(木) 17:20:44.65 ID:a2xbEWtP0
そんな僕の胸中が見え透いていたのか、ははあ、と橙子さんはまた意地の悪い笑みを浮かべる。


「いやあすまなかったね黒桐、私にも色々あるものでな。給料だろう?――――手を出せ、黒桐」

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160:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga]
2014/03/13(木) 17:21:31.02 ID:a2xbEWtP0
そして僕が橙子さんに貰ったのは、一枚の紙きれ。しかし、ただの紙きれじゃない。こんなことが、あっていいのだろうか。

「橙子さん、………どうしたんです、こんな――――」

驚愕するしかない。なぜって――――橙子さんから受け取ったその紙、すなわち小切手に書かれた金額が、垣根君が僕にポンと出した金額のまんまだったから。
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161:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga]
2014/03/13(木) 17:22:00.27 ID:a2xbEWtP0
本職―――人形造りか。

いったい何を作ってきたのだろう、この人は?

「まあ、受けとれ黒桐。来月からはまたいつも通りの給与だ。」
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162:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga]
2014/03/13(木) 17:22:34.43 ID:a2xbEWtP0
「黒桐、私はね、自分が作った人形をどこかへ引き渡すとき、必ず3つの細工をするんだ。当ててみろ」

「急ですね、また」

「当てられたら、そうだな、2日休みをやろうか――――」
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163:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga]
2014/03/13(木) 17:23:03.69 ID:a2xbEWtP0
さて、橙子さんがどこかへ渡す人形を作った際に、仕掛ける細工か。

まず橙子さんは封印指定の魔術師だから、居場所が割れると困る。
つまり、橙子さんの作る人形は世界一精巧なのだから、人形の存在が知れればまず橙子さんだと魔術師たちは気づくだろう。
それを辿って、居場所がばれてしまいかねない。
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164:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga]
2014/03/13(木) 17:23:58.17 ID:a2xbEWtP0
「じゃあ―――――――」

いや、まてよ。人形達が人目にさらされないように、ということなら、人形達に管理の目が行き届いていればいいことになる。
つまり、橙子さんが人形達の行く末を確認できれば、万が一バレそうになっても先になんとか手を打つことができる。

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165:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga]
2014/03/13(木) 17:24:31.10 ID:a2xbEWtP0
――――、なら細工というのは、きっと。


「橙子さん、人形一つ一つにルーンを施したんじゃないですか?3つと言いましたね、順に当てていきましょう。

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166:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga]
2014/03/13(木) 17:25:17.34 ID:a2xbEWtP0
うん、と頷いてから、橙子さんの答え合わせが始まる。


「記憶の四大機能には―――銘記、保存、再生、再認というものがある。以前礼園で起きた事件があっただろう?
アレの元凶―――根源の渦と呼ばれる位置、アカシックレコードまで到達した統一言語師(マスター・オブ・バベル)こと玄霧皐月は、
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167:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga]
2014/03/13(木) 17:26:53.63 ID:a2xbEWtP0
あ――――そうか、五感で認知できないような魔術的な操作をされた場合はそれも自動で何かわかるようにしてなくちゃいけない。

――――あれ?でも、今の――

「橙子さん、それ、よく考えたら3つじゃないですよ」
以下略



168:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga]
2014/03/13(木) 17:27:31.79 ID:a2xbEWtP0
「とにかくだ、私はね黒桐。この二ヶ月で130体近くの人形を作り、そのすべてに今言ったような細工を施した。
そして、各人形が得た情報は今も続々と私の手のひらに書かれたルーンを通して私の脳に直接流れて来ている。
理由はお察しの通り、私の所在がアレが原因でバレるわけにはいかないし―――――」

それに、とつまらなそうに続ける。
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