100: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2014/04/18(金) 22:10:31.49 ID:tJbiuqvE0
縦横無尽に突き出されてくる柱を、意思を持ったかのようにのたくる絨毯を、軽やかなステップで回避していく。
とはいえ俺にも体力という概念はあった。じっとりと汗が背中に、手のひらに滲んでいく。呼吸も荒い。このまま持久戦を挑まれるとつらいものがある。
眉間に因った皺などどこ吹く風、三白眼は依然ぶつぶつつぶやき続ける。
101: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2014/04/18(金) 22:12:47.47 ID:tJbiuqvE0
ひたすらに飛来してくる食器類。文房具もそれに加わって、弾丸の嵐に流石の俺もたたらを踏んだ。壁を破壊し一旦外へ避難する――
詰襟「くっ」
102: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2014/04/18(金) 22:14:26.03 ID:tJbiuqvE0
ここで初めて、この三白眼のことを恐ろしいと――否。不気味だ、と感じた。
その風貌にではない。ありていに言えば、三白眼の魂が、おおよそ理解の及ばない代物だった。
こんな地の底に落ちたような人間を俺は見たことがなかった。
103: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2014/04/18(金) 22:17:54.86 ID:tJbiuqvE0
自問する。
俺が負けるということは、俺の生き様が負けるということだ。
悪即斬。この世の悪は、即座に斬って捨ててみせる。だってそうでもしないと腐ったこの世は変えられやしないから。
104: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2014/04/18(金) 22:37:22.75 ID:BRdqqewp0
自由落下に身を委ね、木刀を叩きつける。
三白眼「……埒外」
105: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2014/04/18(金) 22:38:01.14 ID:BRdqqewp0
三白眼「わたしを、死なせろぉおおおおおおおおおおおおっ!」
詰襟「殺す!」
106: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2014/04/18(金) 23:10:22.04 ID:BRdqqewp0
本日の投下分は以上になります。
wikiの更新はありません。
107: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2014/04/19(土) 09:59:52.98 ID:s4vLrOmz0
―――――――――――――――――――――――
嫌な予感がした。
普段はそんなもの一笑に付す俺様でも、避けて通れない日はある。とはいえその正体すらわからないのでは首を傾げるしかできない。
腕が疲れてきたのでヤンキーの死体を放り投げる。首根っこを掴んだままにするのは重労働だ。
108: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2014/04/19(土) 10:00:41.00 ID:s4vLrOmz0
金髪「本当に、勝ち残った暁には、願い事はなんでもかなえてくれるんだろうな」
こんな埒外な異能を授けられてなお、いまだに俺様は懐疑的だ。与えられたものは与えられたものとして楽しむけれど、気になるものは気になる。
109: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2014/04/19(土) 10:01:15.50 ID:s4vLrOmz0
と、路地の暗がりから出た瞬間に、横から衝撃が襲ってくる。
小柄な女だ。名門校の制服を着ている。そいつは走ってきて、俺様にぶつかって、勢いよく手に持った封筒を放り投げる。
中身がばらまかれていく。
235Res/273.82 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。