過去ログ - 少女「有言実行、しましょうか」
1- 20
13: ◆yufVJNsZ3s
2014/04/17(木) 22:19:37.25 ID:iWvh8kZB0

 視界に白い運動靴が映りました。見上げれば、蛍光灯を背景に、体操服が影に覆われて私を見下ろしています。
 そうして、クラウチングスタートの体勢を取りました。

 逃げないと、早く、逃げないと!
以下略



14: ◆yufVJNsZ3s
2014/04/17(木) 22:20:15.05 ID:iWvh8kZB0

 とはいえあの速度を鑑みるに猶予はあってないようなもの。私は咄嗟に部屋から武器になるようなものを探して、壁材に紛れて落ちていた彫刻刀を手に取ります。

 ぶち壊した壁を再度突き抜けて、体操服が部屋へと飛び込んできました。彼女の体や顔には沢山傷ができています。壁に突っ込んだときのものなのでしょう。

以下略



15: ◆yufVJNsZ3s
2014/04/17(木) 22:20:40.49 ID:iWvh8kZB0

 大きく顔が打ち上げられ、思わず彫刻刀は取り落とし、破壊された天井と、そこからちょっとだけ見える星空が、いや、違って、

 視界がちかちかする!

以下略



16: ◆yufVJNsZ3s
2014/04/17(木) 22:22:14.64 ID:iWvh8kZB0

 体操服はそこでようやく、胸を押さえました。「ぐ」と短く小さな呻き声を上げて、そのまま膝から頽れます。

少女「足、止まってますよ」

以下略



17: ◆yufVJNsZ3s
2014/04/17(木) 22:23:09.33 ID:iWvh8kZB0

少女「早くなおして欲しいものですけど」

 体も、部屋も。

以下略



18: ◆yufVJNsZ3s
2014/04/17(木) 22:24:02.54 ID:iWvh8kZB0

 大きく伸びをして、激痛に思わず屈んでしまいました。声も出ない、とはまさにこのこと。全身が痛くてどこが痛いのかわからないくらいです。

 唐突に、闇夜にあって一際大きく着信音が鳴り響きました。私のものではありません。ということは、この体操服のものでしょうか。

以下略



19: ◆yufVJNsZ3s
2014/04/17(木) 22:24:28.66 ID:iWvh8kZB0

 まだ着信は鳴っています。まるで私が出るのを待っているかのように。

少女「『天網恢恢疎にして漏らさず』」

以下略



20: ◆yufVJNsZ3s
2014/04/17(木) 22:25:08.14 ID:iWvh8kZB0

少女「それで、『天網恢恢疎にして漏らさず』さん、どうして電話を」

??「ん? 私の生き様を知ってるの?」

以下略



21: ◆yufVJNsZ3s
2014/04/17(木) 22:25:39.20 ID:iWvh8kZB0
――――――――――――――――――――――

 眼が覚めたら激痛は消えていました。崩壊した我が家も元通り。あのぬいぐるみは約束を違えることはなかったようです。有言実行、さすがですね。
 まさか全てが夢だったのではと逡巡します。手を繰り返し、ぐーぱー、ぐーぱー。

以下略



22: ◆yufVJNsZ3s
2014/04/17(木) 22:26:25.80 ID:iWvh8kZB0

 静謐な空気を味わいながら、私は教室の扉を開きます。HRの十分前。これが私のいつもの登校時刻なのです。
 ん?
 静謐な空気?

以下略



23: ◆yufVJNsZ3s
2014/04/17(木) 22:26:57.19 ID:iWvh8kZB0

 黒マントの目が妖しく光りました。黒い光を放って、同時に椅子や机が同様の光を帯び、がたがたがたっと持ち上がります。触れることなく。

少女「サイコキネシス……?」

以下略



235Res/273.82 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice