42:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/06/26(木) 09:18:24.15 ID:DQ8xFLRLO
こういう雰囲気好きです
期待
43:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/06/26(木) 11:17:31.74 ID:DOyTb1aQo
レスしていいものかずっと悩んでたww
最初っから見てるよ
44:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/07/07(月) 18:35:50.78 ID:1qEy49aIo
……
果てしなく広がる砂の野に佇んで、ケイは思う。
なぜあの夜はあんなにしゃべることができたのだろうと。
45:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/07/07(月) 18:36:20.89 ID:1qEy49aIo
なぜムロイは星の声の研究をしているのだろうか。
その日最後の授業を受けながらふとケイは考えた。
あるかどうかもわからない不確かなものを追っている理由は何なのだろう。
46:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/07/07(月) 18:36:47.94 ID:1qEy49aIo
夜、木材置き場に赴くと、すでにムロイはケイの専用席に収まっていてこちらに手を振った。
昼間考え続けていたことを聞こうとして、しかしなかなか言葉にならないまま持て余しているうちにムロイは何かを差し出してきた。
「いいのが撮れたよ」
47:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/07/07(月) 18:37:22.37 ID:1qEy49aIo
装置をポケットから取り出してスイッチを入れた。
星の声が流れ出す。星の声ではないかもしれない異音が流れ出す。
ケイには空白に聞こえ、他の人にはそうは聞こえないであろうノイズ。
カメラをリュックサックにしまい込みながら「今夜は特によく聞こえるねえ」とムロイは言った。
48:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/07/07(月) 18:37:56.88 ID:1qEy49aIo
ケイははたと口を止めた。
深く考えて出した言葉ではなかった。
ただ、ムロイもスズと同じなのか気になったのだ。
星のような在り方をしているのか、それを聞きたかったのだ。
49:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/07/07(月) 18:38:38.94 ID:1qEy49aIo
虫の声と装置の音の中、ムロイはそう言ってどっかりと丸太に座り込んだ。
空に手を伸ばしてからからと笑う。
「せめて触れたらいいんだけどねえ。その点では化石と触れ合える恐竜博士が羨ましいよ」
50:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/07/07(月) 18:39:18.82 ID:1qEy49aIo
……
次の日の体育の時間、担当の教員は自由に活動してよろしいと宣言した。
学期の終わりも近くこなすべき課程も片付いたのでというのがその理由らしい。
51:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/07/07(月) 18:39:52.45 ID:1qEy49aIo
自分という外殻の過敏を思う。
人の視線への感度の過ぎたる高さを思う。
要はそれなのだ。他人の視線ではない。それを感じる自分の問題なのだ。
自分を縛り、刺し、傷つけるのは自分だ。自分の中の虚栄心がそれをする。
52:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/07/07(月) 18:40:20.07 ID:1qEy49aIo
「……なに?」
ケイはかすれ声でその少女を振り仰ぐ。
スズはともすれば冷酷にさえ見える瞳でこちらを見下ろしていた。
その口が開く。
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