過去ログ - 教師「お前は一体どうしたいんだ!」 少女「私は……」
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83:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/08/29(金) 23:25:41.79 ID:FlGw8d970
結局教師には、自分が周囲の嫉妬を買っていると悟った段階でさえ、なぜ同僚が教員としての職分を簡単に押し遣ってしまうのか、本当の意味では理解できていなかった。

個人を存立させるアイデンティティとして、生業とそれに対する忠誠は大きな比重を占めている。一方で職業選択の自由が認められているのだから、自分がそれに適わないなら職を辞する事もできる。職業上要請される精神と自分のあり方が埋めがたいほど乖離しているのなら、わざわざその職にしがみつくべきではない。
教師には、職と個人の関係を、単なる向き不向きの問題として単純化する面があった。

以下略



84:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/08/29(金) 23:26:07.13 ID:FlGw8d970
しかし教師の目の前には、自分のように振る舞おうとしない周りの人々の姿が常にある。あまつさえ後ろ指を指されたのは、教員たらんと努めて自律する教師の方だった。
教師は、なぜ自分が異分子にならねばならないのか理解に苦しんだ。

実際のところ、周囲の白眼視は教師自身の態度の裏返しだったが、教師が態度を曲げることは周囲の気が違ったような振る舞いを看過することだ。そうである以上教師は同調圧力に屈するわけにはいかず、必然、孤立はその度合を深めていく。

以下略



85:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/08/29(金) 23:27:30.71 ID:FlGw8d970
今日はこんだけ

繋ぎは終わったから、次から本イベか……


86:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/08/30(土) 01:06:19.07 ID:u0L879JG0

会見と面談はどう使い分けてるの?
やっぱり気になる


87:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[sage]
2014/08/30(土) 23:14:49.05 ID:Immr8Tbp0
>>86
あんまり深い考えはないのよ

強いて言うなら、母親に関しては「学校対親」の文脈だから「面談」
少女についてはかなり仰々しく捉えてるから「会見」とか
以下略



88:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[sage]
2014/08/31(日) 06:58:26.36 ID:m3dOymow0
待ってる


89:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/09/01(月) 01:23:55.28 ID:pGgsnQdi0
今回もちょっと短いけど、これから時間取れなくなるだろうから投下します


90:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/09/01(月) 01:25:51.11 ID:pGgsnQdi0
少女との会見から数日、穏やかな日々が続いていると教師は感じていた。
授業等もつつがなく進行しているし、事務仕事も順調といえた。

教師(……いや、そうでもないか)

以下略



91:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/09/01(月) 01:26:39.56 ID:pGgsnQdi0
教師の職場では同僚に対する陰口が常態化していた。その場にいない誰かを悪し様に罵ったそばから、席を外した者への非難を平気で行い、輪に戻ってくればまた誰かを罵る――そんな光景は、もはや慣習の域だった。
教師自身は陰口の類は言うのも聞くのも嫌だという性質だったので、最初こそきっぱりと拒絶したり、それとなく注意したりもしたが、同僚たちが反省することは一度もなかった。終いには逆に怒り出す者が出る始末で、教師はそのうち何も言わなくなっていった。

今回教師が無言の内に同僚の会話をやめさせたのは、話題が明らかに教師への悪口だったからだ。さすがに聞こえよがしに自分の批判を垂れ流させるほど教師はお人好しではなかった。

以下略



92:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/09/01(月) 01:27:14.06 ID:pGgsnQdi0
教師(私が彼女の家庭環境をどうこうしようとするのがそんなに不満か……)

胸の内に苦いものが広がる。確かに教師に一切の私心がないとは言えないが、彼女の置かれた状況を改善してやることは同僚たちも異存はないはずだった。その意味では教師を敵視することも、ましてや妨害することは何ら意味を持たない。

教師はそう考えていたが、現実は教師の想像とは真逆だった。彼女への奉仕の道を開いてやるのだから、むしろ自分は感謝されてしかるべきだ、――その思惑は同僚の敵愾心の篭もった眼を前に簡単に打ち砕かれてしまった。
以下略



93:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/09/01(月) 01:27:58.74 ID:pGgsnQdi0
その時教師は、担任するクラスの教室で教科書の読み合わせをしている最中だった。これは授業の一環というよりは生徒に退屈する隙を与えないための措置である。
教師が授業を受け持つクラスのうち、教師の担任するクラス――彼女のいるクラスは他と際立って生徒の意欲が乏しい。しかし別の先生の話では、教師以外の手による授業は問題がないという。

これも彼女関係か、と憂鬱になる。どこまでも教師にとって少女の存在は鬼門であるらしかった。
それとも、教師は全ての不都合を彼女のせいにして責任逃れをしているのだろうか。
以下略



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