11:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/06/17(火) 03:14:07.42 ID:/eWvdN5Bo
「君の罪は決して消えはしない。君が何をしてどう生きようとも、君の一生は君の犯した罪
によって、君が殺した者達によって常に苦難の様相を示すだろう。君が本当に自身の罪に向き
合えば向き合うほど、君に重く圧し掛かってくる。誰かを助ければ罪が消えるわけではない、
誰かが君を許すと言っても君の心に安寧は訪れない。行いによって犯された罪は行いによって
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2014/06/17(火) 03:16:24.40 ID:/eWvdN5Bo
だが君はここを訪れ、自ら告白した。君は信者ではないし、神も信じていないかもしれない。
だが告白した。それは罪に向き合う姿勢だ。
主は君を祝福されないだろう。どのような窮地に立とうとも君に救いの手を差し出すこともなさらないかもしれない。
だがそれを責める資格は君には無いのだ。主が与えたもうた試練ということも出来るかもしれない。
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2014/06/17(火) 03:18:15.97 ID:/eWvdN5Bo
「あンたは殺された奴は神様なンて野郎がそうなるように作ったとでも言いてェのか」
「そうでは無いよ。殺すことを選んだのは君や、君にそう仕向けた者達であろう。それは君
達が負うべき責であり、それは変えることの出来ない事実だ。
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2014/06/17(火) 03:20:14.44 ID:/eWvdN5Bo
「じゃァなんだ。
オレはなンで殺した。なンで助けた。
あいつらの罪はなンだ。なンで殺されなきゃなンねェンだ。何も知らねェあいつらは。生まれたことが罪なのか」
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2014/06/17(火) 03:24:43.41 ID:/eWvdN5Bo
「オレは誰かを救ってもいいのか。一万人以上殺した後にでも」
「もちろんだとも。誰かを助けるということ、そこに善悪は関係ない。
早すぎるということも、遅すぎるということもない。悔い改めるということに時間は関係ないのだ。
問題なのは出切るかどうかだ。生き方を変えるということが。
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2014/06/17(火) 03:26:32.15 ID:/eWvdN5Bo
その日、神父はジーンズと黒いポロシャツを着て花壇の手入れをしていた。
膝を突いて雑草を引き抜いていたのだった。
「やっほ〜神父様。超お久しぶりです」
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2014/06/17(火) 03:28:29.54 ID:/eWvdN5Bo
孤児たちが脚を運ばなくなることはよくあることであった。
どこかの学生寮にでも住むことができるようになったり、
なんとか仕事を見つけて生計を立てることができるようになる者もいる。
寂しいものがあるが、子供達には子供達の生活があることは理解していた。
18:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/06/17(火) 03:29:53.45 ID:/eWvdN5Bo
今目の前に立っている少女もそのように姿を消してしまった子供の一人であった。
背を伸ばしこの教会に脚を再び運んでくれたことを神父は心から喜んだが、
少女の目に隠しきれない陰鬱な陰が差していることにも気が付き、
少女の身に降りかかったであろう不幸を考えるとまた心が痛んだ。
19:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/06/17(火) 03:31:14.67 ID:/eWvdN5Bo
少女は大能力者になったこと、今は仲間達と仕事をしながらなんとか生活出来ていることな
どを楽しそうに話した。
特に金髪の少年とは喧嘩をしながらも映画を見に行ったりと楽しく日々を過ごしていると語った。
神父は大いに笑い、少女も笑顔を絶やすことがなかった。
少女は決して悲しいことや苦しいことは言わず、そんなことは存在したことがないかのよう
20:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/06/17(火) 03:33:26.00 ID:/eWvdN5Bo
「友達がいるんです。そして友達がいました。私には二人ともとても掛け替えのない存在。
でも一人が私達を裏切って、もう一人が彼女を殺してしまったんです。それはもしかしたら必
要なことだったかもしれないし、殺したのも殺されたのも私になってたかもしれないんです。
でも皆が後悔してるんです。なんでああなってしまったのか、どうして止められなかったのか。
皆思うところはあるはずなのに、また前のように集まって一緒にいることが私は怖いんです。
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2014/06/17(火) 03:36:15.22 ID:/eWvdN5Bo
「君は優しい子だね。君の名前は一番の愛という意味なんだろう、素敵な名前だ」
「でも名付けた人たちは私を捨てました」
ぎゅっと両膝の上でこぶしを握り締めた。その手にポタポタと雫が落ちる。
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