13:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/08/10(日) 15:55:19.33 ID:PqSllGERo
  
  ビル街を一直線に抜ける二車線の国道、信号はなかなか変わらない。 
  三つほど先の交差点、首都高のICからは 
  様々な会社のロゴが描かれたトラックや乗用車が絶え間なく行き交う。 
  
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2014/08/10(日) 15:57:59.73 ID:PqSllGERo
  
  ヒマワリ? 
  って、あの、黄色くて大きな花のこと? 
  おぼろげな知識で確かめる。 
  
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2014/08/10(日) 16:00:40.20 ID:PqSllGERo
  
  信号はまだ赤のまま。 
  横断歩道の向こう岸の親子は待ちくたびれて、 
  男の子に引かれるようにして後ろのローソンへ逃げ込んでしまった。 
  
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2014/08/10(日) 16:03:20.64 ID:PqSllGERo
  
 「……海未、ケンカ売ってる?」 
  
  ちょっと目尻に力をこめて言ってみる。 
  すると海未は目を見開いて、 
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2014/08/10(日) 16:06:01.03 ID:PqSllGERo
  
 「それよりどういう意味なのよ」 
  
 「その……そういうところです」 
  
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2014/08/10(日) 16:08:41.46 ID:PqSllGERo
  
 「だったら、なおさら私じゃないわ。 
  私、そんなに強くないのよ?」 
  
  笑ってやり過ごすつもりで乗せた自分の軽口が、 
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2014/08/10(日) 16:11:21.82 ID:PqSllGERo
  
  右折専用の青い矢印が灯って、車の通りがやや少なくなる。 
  もう少しで信号が変わる。 
  青になる。 
  集合は二時過ぎだから、遅れることもないはず。 
20:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/08/10(日) 16:14:02.18 ID:PqSllGERo
  
 「絵里? どうかしましたか?」 
  
  数秒も経つ頃には海未がいつもらしい微笑みを作って問いかける。 
  信号も青になっていて、さっきの親子が歩き出す。 
21:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/08/10(日) 16:16:42.98 ID:PqSllGERo
  
  海未は何事もなかったように道を渡ろうとする。 
  草木も枯れるほど白く焼き付ける横断歩道へと歩み出る。 
  
  だめ、 
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2014/08/10(日) 16:19:23.41 ID:PqSllGERo
  
  今日が曇り空ならよかったのに。 
  
  ガードレールに守られた上り坂の歩道を 
  すたすた抜けていく彼女の後ろ姿を追いながら、 
23:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/08/10(日) 16:22:03.86 ID:PqSllGERo
  
  緩やかな上り坂が終わる頃、先を歩くあの子がぽつりとこぼした。 
  
 「でも、 
  後ろで支える柱になるのもきっと良いことですよ。 
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