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2014/08/10(日) 16:06:01.03 ID:PqSllGERo
「それよりどういう意味なのよ」
「その……そういうところです」
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2014/08/10(日) 16:08:41.46 ID:PqSllGERo
「だったら、なおさら私じゃないわ。
私、そんなに強くないのよ?」
笑ってやり過ごすつもりで乗せた自分の軽口が、
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2014/08/10(日) 16:11:21.82 ID:PqSllGERo
右折専用の青い矢印が灯って、車の通りがやや少なくなる。
もう少しで信号が変わる。
青になる。
集合は二時過ぎだから、遅れることもないはず。
20:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/08/10(日) 16:14:02.18 ID:PqSllGERo
「絵里? どうかしましたか?」
数秒も経つ頃には海未がいつもらしい微笑みを作って問いかける。
信号も青になっていて、さっきの親子が歩き出す。
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2014/08/10(日) 16:16:42.98 ID:PqSllGERo
海未は何事もなかったように道を渡ろうとする。
草木も枯れるほど白く焼き付ける横断歩道へと歩み出る。
だめ、
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2014/08/10(日) 16:19:23.41 ID:PqSllGERo
今日が曇り空ならよかったのに。
ガードレールに守られた上り坂の歩道を
すたすた抜けていく彼女の後ろ姿を追いながら、
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2014/08/10(日) 16:22:03.86 ID:PqSllGERo
緩やかな上り坂が終わる頃、先を歩くあの子がぽつりとこぼした。
「でも、
後ろで支える柱になるのもきっと良いことですよ。
24:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/08/10(日) 16:24:44.22 ID:PqSllGERo
私に聞かせたのか、ただの独り言だったのかは分からない。
海未はこちらを振り返り、
私はずっと誰かを支えたかったんです、
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2014/08/10(日) 16:27:24.59 ID:PqSllGERo
この声に反応して海未が目を見開く。
自分でも何を口走ったのか一瞬分からない。
でも、わかった。
海未は年下なのよ、あんな顔させるわけにはいかないの。
26:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/08/10(日) 16:30:04.93 ID:PqSllGERo
海未はこちら側を振り向きながら歩いてたせいで
コンクリの割れ目にかかとをぶつけてふらついてしまう。
その手をすかさず取った。
27:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/08/10(日) 16:32:45.32 ID:PqSllGERo
そのまま手を強く引っ張ってわき道の陰に海未を引きずり込んだ。
ちょうどよかった、だってここは、
「……近道、なんでしたっけ。
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