8:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/08/13(水) 22:22:24.42 ID:Gm5y04qy0
  
 藍子、と、名前を呼び掛けたのにも拘らず、彼女は振り向くことは愚か、まるで俺に気付いていないみたいに身じろぎ一つしなかった。 
  
  
 (寝てるのかな…?) 
9:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/08/13(水) 22:23:42.67 ID:Gm5y04qy0
  
  
 室内は今が真夏とは思えない程クーラーによって冷え切っている。 
  
 そう広い事務所でもないけど、このクソ暑い中これだけの温度にするためには少々時間を要するというもんだ。 
10:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/08/13(水) 22:25:04.35 ID:Gm5y04qy0
  
 ぐだぐだ考えても仕方のない事だし、起こして藍子本人から直接聞けばいいんだ。 
  
  
 「藍子、起きろ。もう朝だぞ」 
11:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/08/13(水) 22:26:24.78 ID:Gm5y04qy0
  
 「おい… って、うわ!」 
  
  
 いい加減反応を示さない藍子に痺れを切らして、彼女の肩に手を置き揺さぶろうとした。 
12:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/08/13(水) 22:27:42.12 ID:Gm5y04qy0
  
 「おい… 起きろよ!」 
  
  
 俺の予感なんて当たっている訳がない。そう思いながらも焦りで語調が強くなっている自分を、何処か遥か遠く感じた。 
13:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/08/13(水) 22:29:16.89 ID:Gm5y04qy0
  
 揺すっても呼び掛けてもなんの反応もしてくれない藍子に、嫌な予感はどんどん重みを増し、更には不気味な感情を覚える。 
  
 胸からせり上がってくる何とも言えない… 強いて言うなら吐き気の様な感覚を呑みこみながら、俺はそっと藍子の正面に回り込んだ。 
  
14:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/08/13(水) 22:30:45.50 ID:Gm5y04qy0
  
  
 藍子の両肩に手を置き、今度こそはと優しく揺すってみる。 
  
  
15:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/08/13(水) 22:32:01.87 ID:Gm5y04qy0
  
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16:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/08/13(水) 22:33:18.41 ID:Gm5y04qy0
  
  
 昨晩ちひろさんは、疲れていたという理由で先に帰ったらしい。 
  
 その場に居たのが藍子だけで、藍子ならしっかりしているから鍵を任せても大丈夫だと、勝手に判断したそうだ。 
17:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/08/13(水) 22:34:42.05 ID:Gm5y04qy0
  
  
 直接の原因はちひろさんだって事になるんだろうけど、世間はそう簡単じゃない。 
  
 事務所として、担当の俺が責任を取らされることになるんだろうか。 
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