過去ログ - エルフが奴隷に堕ちた理由を考えてみたりなど
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2014/09/06(土) 18:39:03.76 ID:uMu3uzQDo
焚き火のそばに座りこみ、彼はため息をついた。
それはもう何度目かもわからないものだったが今度のはいつもと違い具体的な暗さが伴っていた。
「どうしたの?」
以下略
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2014/09/06(土) 18:39:58.37 ID:uMu3uzQDo
エルフは「ふうん」と答えて別の方向にちらりと目をやったようだった。
そちらには森がある。
昼頃に黒々とした木々の群れが見え始め、夕方にはその辺縁にたどり着いていたのだ。
以下略
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2014/09/06(土) 18:40:35.36 ID:uMu3uzQDo
閉じたまぶたの裏側に懐かしい故郷が見える。
山のふもとのその村は小さい。
土地は痩せていて実りも少なく、彼や彼の友達はいつも腹を空かせていた。
だが今に比べればずっと穏やかで、安心して過ごすことができた。
以下略
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2014/09/06(土) 18:41:22.15 ID:uMu3uzQDo
子熊が眠って紅い葉が山に揺れ、歌が終わった。
「……なんで歌えるんだ?」
彼は不思議に思って訊いた。エルフは覚えたわ、と答えた。
「あの晩の一回で?」
以下略
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2014/09/06(土) 18:41:50.15 ID:uMu3uzQDo
「じゃあこんな歌はどうかしら」
そう言ってエルフが歌い始めたのは少し奇妙なものだった。
しばらくそれに聞き入って。
以下略
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2014/09/06(土) 18:42:17.79 ID:uMu3uzQDo
つづく
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2014/09/06(土) 21:49:33.14 ID:v0XIouJGo
otu
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2014/09/07(日) 20:37:56.22 ID:ycxfrRKno
彼女は歌と言ったが彼にはそれは歌のようには聞こえなかった。
彼女が小さく開いた口から、節も音程もないかすかな声だけが聞こえてくる。
優しく耳をくすぐる囁き声だ。
その言葉の意味は分からない。
以下略
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2014/09/07(日) 20:38:37.23 ID:ycxfrRKno
しばらく考えてもわからないので彼は仕方なく歩き出した。
真っ直ぐ歩いていくと山の連なりが見えてきて、そのふもとの村に突き当たった。
柵の間を通って中に入ると子供たちが寄ってくる。
「お前どこ行ってたんだよ、心配したぞ」
以下略
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2014/09/07(日) 20:39:51.70 ID:ycxfrRKno
彼は駆けていた。
彼の家に真っ直ぐ駆けていた。
村の奥の石造りの家がそれだ。
以下略
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2014/09/07(日) 20:40:28.74 ID:ycxfrRKno
彼はゆっくりと夢のことを話した。
「俺と母さんは旅をしてるんだ。この村がだめになっちゃって、あてもなくさまようんだ」
母はいつもと同じく黙ってそれを聞いている。
以下略
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