過去ログ - 提督「心から愛しい羽黒に捧ぐ。」
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37:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/09/08(月) 21:59:29.70 ID:qLIZaayYo
良かった沈んだ羽黒はいなかったんだね
38:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/09/09(火) 21:26:47.73 ID:IthOZGUao
利根の敬礼を背に受けながら私は羽黒を探す。
第一艦隊が集っていた食堂の扉を開くと、その一角に私の記憶と寸分たがわない光景がそこにあった。
第一艦隊――霧島と、筑摩と、赤城と、高雄と、日向と、そして、羽黒の談笑。
39:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/09/09(火) 21:29:42.92 ID:IthOZGUao
筑摩が私に気付いたようで、羽黒の耳元で何かをささやくと羽黒は真っ赤な顔で筑摩を見つめた。
「さて、お邪魔虫は退散しましょうか」
いたずらっぽく高雄が宣言すると、羽黒以外の5名は薄笑いを浮かべながら立ち上がる。
40:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/09/09(火) 21:36:58.39 ID:IthOZGUao
「……あの、司令官さん」
羽黒の言葉を待たず、私は羽黒を抱きしめる。
彼女の華奢な体が折れぬように、精いっぱいの理性を保ちながら私は椅子に掛けたままの彼女を抱擁する。
41:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/09/09(火) 21:46:01.82 ID:IthOZGUao
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42:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/09/09(火) 21:51:44.57 ID:IthOZGUao
響の最期は私だけが知っていれば良い。
敵艦の砲撃が命中して艤装が吹き飛び、右手と左足と、顔の下半分さえも吹き飛んで血の泡を吐いていた彼女の最期なんて、私だけが知っていれば良い。
私は私の――指揮官の仕事をやったのだ。
43:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/09/09(火) 22:00:41.49 ID:IthOZGUao
私の脳裏にはいつも最期の響がいる。
吹き飛んだ顎をゆがめながら笑みを浮かべて敬礼をしていた彼女に打ち込んだ銃弾の薬きょうは、私の机にしまっている。
「ずるいです、司令官さんは」
44:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/09/09(火) 22:06:51.19 ID:IthOZGUao
こんなところで。響の提督諸兄にとっては面白くもない展開になったと思います。申し訳ありません
45:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/09/10(水) 21:44:15.89 ID:H4EHr0uqo
夜。
執務室で薄く埃を被ったCDプレイヤーが部屋の空気をゆらす。
「提督もCDなんて持ってたのね。旧石器時代の人かと思ってたからびっくりしたわ」
46:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/09/10(水) 21:54:26.74 ID:H4EHr0uqo
私が部下の中で苦手とするのは「夕張」「神通」「妙高」の3人だけ――のはずだ。
夕張と神通は私の着任直後から従ってくれている戦友で、妙高は私が心から愛する羽黒の姉。
一度妙高と話した際は「羽黒を泣かせたら承知しませんから」と笑みを浮かべながら言われたものだが、その笑みの目元が全く笑っていなかったことは私の記憶に生涯残り続けるのだろう。
47:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/09/10(水) 22:06:40.64 ID:H4EHr0uqo
「今日はお酒は飲まないんですか?」
素直に茶を淹れた夕張はそのように問う。
私は湯呑に手を触れ、その熱さにたまらず手を引っ込める。
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