4: ◆Q2Rh6LUPmsVj[saga]
2014/09/14(日) 08:08:29.27 ID:L+7u/Q1o0
サルベージ。
それは魂の救出。
LCLの中で生命のスープと化していたシンジの肉体を再構成させ、精神を定着させる作業。
5: ◆Q2Rh6LUPmsVj[saga]
2014/09/14(日) 08:09:55.81 ID:L+7u/Q1o0
さて、こうしていつも通りのシンクロテストが終わり、レイが着替えを終えて更衣室から出ると、廊下で待っていたのかすぐさまシンジが声をかけた。
「綾波。その……」
「……何?」
6: ◆Q2Rh6LUPmsVj[saga]
2014/09/14(日) 08:11:16.33 ID:L+7u/Q1o0
シンジにとっての春はもちろんレイにとっての春でもあり、二人は自転車の空気入れでシュコシュコと勢いよく風船を膨らませるかの如く、期待と夢を大きく膨らませ、特にシンジは股間も大きく膨らませていた。
「えと……じゃあ、あの……近い内に行くから……//」
「ええ」コクッ
7: ◆Q2Rh6LUPmsVj[saga]
2014/09/14(日) 08:12:44.79 ID:L+7u/Q1o0
一方その頃、ネルフの発令所ではミサトと青葉が少し真剣な議論を交わしていた。
内容はネルフの情報操作、情報規制の件であり、ここで二人の意見は真っ二つに分かれた。
「僕はやっぱりある程度は開示しなきゃ駄目だと思うんですよ。使徒っていうのは、どこからでも来ますからね。実際、報道されていないだけで目撃してる人はこれまで何千人とか何万人とか、そんな単位でいるはずなんですから。何も一から十までとは言いませんが、もうある程度の情報は出してしまった方が、ネルフにとっても都合がいいと思うんですよ」
8: ◆Q2Rh6LUPmsVj[saga]
2014/09/14(日) 08:14:24.21 ID:L+7u/Q1o0
つづく
9: ◆Q2Rh6LUPmsVj[saga]
2014/09/14(日) 08:15:40.03 ID:L+7u/Q1o0
元々、青葉の家系には若ハゲの傾向があり、御多分に漏れず青葉シゲルもその中の一人だった。
高校三年生の頃から生え際がどんどんと後退していった彼は、大学四年生にもなった頃には少し強い風でも吹こうものならハゲしく大変な状態になっていた。
それまでは前髪を伸ばして何とか誤魔化してきた彼だったが、生え際がベジータを越えて天津飯に近くなった時、それも最早限界に来ている事を彼は悟らざるを得なかった。
10: ◆Q2Rh6LUPmsVj[saga]
2014/09/14(日) 08:17:02.88 ID:L+7u/Q1o0
そして、現在。
ミサトとの議論で少し熱くなっていた彼は、トイレに行くと、軽く気持ちを落ち着かせようと鏡の前に立ち深呼吸を一つした。
それから手を洗い、ついでに顔も洗い、個室へと入って当たり前の様にカツラを外した。
11: ◆Q2Rh6LUPmsVj[saga]
2014/09/14(日) 08:18:56.72 ID:L+7u/Q1o0
「ですからね、葛城さん。ネルフにとってのメリットとデメリットを考えて下さいよ」
照明の光をまるで後光のように反射させながら、ついさっき悟りを開いたばかりのブッダのように青葉はとうとうと語る。
「隠していたってその内明るみには出るのは確かなんです。隠す意味がない。だったら初めから開示していた方がいいに決まってます。そうした方が、下手な勘繰りを入れられずに済むし、バレた所でこっちには痛みはないじゃないですか」
12: ◆Q2Rh6LUPmsVj[saga]
2014/09/14(日) 08:20:29.95 ID:L+7u/Q1o0
「だから、結局、損をするのは隠していた側なんですよ。偽装問題とか、これまで散々あったじゃないですか。そういった前人からの教訓を全く生かしてないんですよ、ネルフは」
「…………」
「…………」
13: ◆Q2Rh6LUPmsVj[saga]
2014/09/14(日) 08:21:55.17 ID:L+7u/Q1o0
話を少し遡る。
シンクロテストが終わり、一旦、マヤとわかれたリツコは、用事を済ませると発令所へと向かう前にトイレへと立ち寄った。
その途中、廊下で職員がロン毛のカツラを手にしているのを見かけた。
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