31: ◆F.lQmLP.5M[saga]
2014/09/15(月) 19:18:04.25 ID:sf6OOFz8O
◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆
愛する人がいた。
32: ◆F.lQmLP.5M[saga]
2014/09/15(月) 19:20:17.53 ID:sf6OOFz8O
◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆
第二話「FAIRY TAIL」
33: ◆F.lQmLP.5M[saga]
2014/09/15(月) 19:21:20.24 ID:sf6OOFz8O
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
「あむっ」
34: ◆F.lQmLP.5M[saga]
2014/09/15(月) 19:24:06.30 ID:sf6OOFz8O
「提督、本日はありがとうございました。こんな素晴らしいところに連れてきていただいて」
店を出たところで赤城が頭を下げてくる。
35: ◆F.lQmLP.5M[saga]
2014/09/15(月) 19:25:43.10 ID:sf6OOFz8O
店の主人からソフトクリームを一つ受け取って、赤城に差し出した。
芳醇なミルクの薫りが実に芳しい。
普段なら食欲を刺激されてもおかしくなかったが……
36: ◆F.lQmLP.5M[saga]
2014/09/15(月) 19:29:12.79 ID:sf6OOFz8O
上品に傾げられた小首は、そこだけ切り取れば良家の娘も裸足ものであった。
だというのに両手に持つのはソフトクリーム。
おかしなギャップに思わず口角が上がる。
37: ◆F.lQmLP.5M[saga]
2014/09/15(月) 19:30:33.28 ID:sf6OOFz8O
それは、本心からの疑問であった。
照れ隠しなどでは断じてない。
38: ◆F.lQmLP.5M[saga]
2014/09/15(月) 19:32:17.99 ID:sf6OOFz8O
「この際、はっきりと、申し上げておきます」
「うむ」
39: ◆F.lQmLP.5M[saga]
2014/09/15(月) 19:33:46.02 ID:sf6OOFz8O
否が応にも左の薬指に意識がいく。
薬指をまさぐりたい衝動をこらえると、軽く奥歯が軋んだ。
耳に障る音だ。
だがそれ以上に、心臓の音がうるさかった。
40: ◆F.lQmLP.5M[saga]
2014/09/15(月) 19:34:58.03 ID:sf6OOFz8O
「いつか、いつか然るべき時が来たならば」
いつかこの海が平和になったならば。
41: ◆F.lQmLP.5M[saga]
2014/09/15(月) 19:37:17.81 ID:sf6OOFz8O
幸せなおとぎ話は、細長い人差し指に止められた。
赤城が止めた。
赤城によって、止まった。
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