過去ログ - 穂乃果「私はあなたのものだから」
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202: ◆KZH78Pv7kI[sage saga]
2015/04/02(木) 15:34:17.64 ID:zc+b77nY0
……なるほど、穂乃果はやきもちをやいているのね。私があまりに花陽たちに構っているのだから、それで寂しくて仕方ないのね。
「……一応言っておくけど、穂乃果のことは大事よ。けど、花陽や凛を無視できるわけじゃないの。……特に花陽は今、自分からなにかを切り開こうとしている。私はね、花陽の勇気に、自信を持ってほしいの」
だって、私に勇気を分けてくれた花陽だもの。一歩踏み出してほしかったんだから。
203: ◆KZH78Pv7kI[sage saga]
2015/04/02(木) 15:50:35.79 ID:zc+b77nY0
「やだって、……もうわがまま」
「穂乃果の気持ちが済むまで、絶対離れないもん」
穂乃果がこうなったら梃子でも動かないから困ったものね……。こうなると、慰めてあげることの方が先かしら。
204:名無しNIPPER[sage]
2015/04/02(木) 16:30:37.20 ID:8j8VGqyPO
シリアスになっちゃうのん?
>>197
後ここ2年生じゃなくて3年生かな?
まあ細かいことだけど
205: ◆KZH78Pv7kI[sage saga]
2015/04/03(金) 13:03:53.92 ID:pIyDd0Ai0
真姫ちゃんを送り出して、居間の前に行くと、お母さんが随分不安そうな顔をして、こっちを見てた。
「どうしたの?……そんな顔してたら私まで不安になるよ」
本当は男の人って雪穂から言われて少し怖いっていう気持ちがある。
206: ◆KZH78Pv7kI[sage saga]
2015/04/03(金) 13:04:52.03 ID:pIyDd0Ai0
それにしても、誰なんだろう。私、男の人とかかわることって言ったら学校の先生ぐらいだし。うーん。もしかして本当に私のファン、とか?どうしよう、サインとか用意してないし……。ていうか押しかけてくるって相当なファンの人だね、あはは。
なんてね。そういう人とはお付き合いしちゃいけないのがアイドルだってにこちゃんから教えられてるし、もしそういうお話だったらきっぱり断ろうと思います。それに、私には真姫ちゃんがいるし、ね。エヘヘ。
ふすまを開けると、そこにはお母さんの言う通り本当にいいところの男の人、でも援助交際っていう悪いことをしそうになさそうな、誠実そうな人が正座していました。
207: ◆KZH78Pv7kI[sage saga]
2015/04/03(金) 13:13:53.17 ID:pIyDd0Ai0
「……君には、本当に感謝している。もしかしたら寂しい人生を送らせていたかもしれないあの子が、今では口を開くたびに、君の名前を呼んでいるし、それに明るくもなった。それは、本当に君たちと出会ったからだと思う」
とても、とても優しい口調。この人が西木野総合病院の院長で、それに真姫ちゃんのお父さん。
「君は、あの子の夢を知っているかい?」
208: ◆KZH78Pv7kI[sage saga]
2015/04/03(金) 13:16:28.29 ID:pIyDd0Ai0
「……真姫と、別れてくれないか」
「…………」
今どんな顔、してるかな?言葉も出ないよ。予想通り過ぎて、けど、衝撃的すぎて、全てが凍り付いた。時間も、心でさえ。初めて見る土下座や、それに続く言葉のせいで、何も考えられなくて、何も感じられなかった。
209: ◆KZH78Pv7kI[sage saga]
2015/04/03(金) 13:19:30.62 ID:pIyDd0Ai0
「一つは真姫と別れて、アイドルをさせるか。もう一つは、アイドルをやめるか」
「え……」
選べない、選べるわけないよ。そんなの、そんなの、ずるいよ。どうしてそんなことを急に言うの?どうして私に選ばせるの?私だけで決められることじゃないよ。
210: ◆KZH78Pv7kI[sage saga]
2015/04/03(金) 13:36:48.92 ID:pIyDd0Ai0
いつの間にか顔を上げていた真姫ちゃんのお父さんは、私に近づくこともなく、ただ淡々とそこで話をする。
この人は嫌いな人だ。自分が悪いと思っていても、相手も悪いんだと思って開き直る人だ。
奪っていくものの大きさを大切さを、奪うから知らない人だ。
211: ◆KZH78Pv7kI[sage saga]
2015/04/03(金) 13:40:33.58 ID:pIyDd0Ai0
「穂乃果、お客さんをお送りしないで……、ってどうしたの?」
少し怒っているらしいお母さんが今に来るなり私に説教をしてこようとして来ていたみたいだけど、全身で机と同化してまで落ち込んでいる私を見て、それは心配に変わった。
「……ううん、なんでもないよ。ちょっと、考え事……。部屋行くね。ご飯出来たら、呼んで」
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