62:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/12/03(水) 22:36:58.43 ID:sQ4l+FLzo
それから、そうですね。ここからはあまり思い出せないんですけど
何より覚えておきたいことじゃないから、はっきりとは言えないんです
ただ、自分ではとても情けない話のように思えるんです。軍人さん、絶対に笑わないで下さいよ?
63:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/12/03(水) 22:38:53.49 ID:sQ4l+FLzo
それで私が近付いて行って、どちらかの男性が私に気付いたんです
その人はとても驚いた様子で私を見ていたと思います、怯えていたかもしれません
ごめんなさい、曖昧で。あまり良く覚えていないので
64:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/12/03(水) 22:41:00.58 ID:sQ4l+FLzo
それからどうしたんでしょうね、気付いた時にはもう海の中でした
覚えてないんだから仕方ないです、思い出せるのはこれだけ
65:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/12/03(水) 22:42:06.48 ID:sQ4l+FLzo
静かな海の底へと沈みゆく私は、どうしてこうなってしまったのかを考えていました
もしもあそこであの二人組に話しかけていなければ、きっとこうはなっていなかったでしょう
もっとよく二人の様子が見えていれば、その尋常じゃない様子に気付くことも出来たでしょう
66:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/12/03(水) 22:43:27.74 ID:sQ4l+FLzo
そういえば妖精さんは今頃何をしているのでしょうか
帰り道を一緒に来てたから、もしかしたら私に巻き込まれて海に落ちてしまったかも
でもあの時にはもういなかった気もするから、無事でいてくれたら幸いです
67:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/12/03(水) 22:44:40.01 ID:sQ4l+FLzo
すると今度は何かの声が聞こえてきました、どこか聞き覚えのある様な
これは確か、私に名前を教えてくれた時の妖精さんの声
68:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/12/03(水) 22:50:45.48 ID:sQ4l+FLzo
■
「今年の夏も父はここまで来てくれたんですよ」
私と待ち合わせをしていたこのバス停までやってきて、それからしばらくこのベンチを眺めているんです
69:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/12/03(水) 22:52:22.49 ID:sQ4l+FLzo
「一度、自分の家に行ったことがあるんです」
誰にも見つけてもらえないのがあまりにも寂しくなって、歩いて家に帰ったんです
70:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/12/03(水) 22:54:21.88 ID:sQ4l+FLzo
「帰れない場所への迎えを待っていても、意味がないことくらいはわかってます」
父は迎えには来ず、母は私を見つけられない
71:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/12/03(水) 22:56:04.97 ID:sQ4l+FLzo
自分でも馬鹿な話だとは思いますが、あの時見た妖精さんのことが忘れられないんです
本当に存在するのかなんてことは問題ではなくて、ただ最後の言葉が忘れられないんです
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