5:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2014/11/14(金) 00:36:17.76 ID:uChPgUVpO
話を戻そう。指揮系統を盾にした彼女たちは我々の命令に従わないことがままあった。
彼女たち天使はAL入隊後から既に士官球の待遇を受けるが、相手が一般将兵であればたとえ相手が佐官級でも命令に従わない事すらあった。
政府上層部が、人民が許容していたのだ。
彼女たちの年齢は十代そこそこから二十代中盤。我々将校にとって年下で階級も下の彼女たちが命令を聞かず、またそれに対する何の処罰もないのは耐え難い屈辱だった。
6:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2014/11/14(金) 00:39:24.70 ID:uChPgUVpO
「ねえ、そこのおじさん」
私は内心神に祈った。天使のひとりが誰かに声を掛けたのだ。緊張が走る。
天使たちは酷く気紛れで、酷く力が強く、態度も大きい。
7:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2014/11/14(金) 00:41:00.31 ID:uChPgUVpO
「は?私たちのせいってわけ?」
「翼もないくせに」
「大体あんたの部下が臆病者揃いで、あんた自身も無能だから全滅したんじゃない?」
8:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2014/11/14(金) 00:43:36.22 ID:uChPgUVpO
初老の少佐は怒りに震える手で軍帽をひっつかみ、荒々しい足取りでクラブの出口に向かう。背後から更に罵詈雑言が浴びせられる。
「逃げるの?臆病者!」
「まるであんたの部下みたい!」
9:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2014/11/14(金) 00:44:08.86 ID:uChPgUVpO
「よう、みんなここにいたのか」
クラブの入り口の扉が開く。
「遅いよー司令官」
10:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2014/11/14(金) 00:45:52.14 ID:uChPgUVpO
「司令官」は会釈も返さず冷たく一瞥すると天使たちに向き直り、笑顔で続ける。
「さ、みんな基地に帰るぞ」
「はーい!」
11:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2014/11/14(金) 00:47:00.09 ID:uChPgUVpO
緊張の糸が切れ、ビールを一杯あおったあと同僚のひとりがぽつりとつぶやいた。
「なんだ、あいつは」
それを聞いて別の同僚が返す。
12:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/11/16(日) 17:43:48.25 ID:bElL2QwXo
しえん
13:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)
2014/11/21(金) 01:32:55.55 ID:FzFnVzG60
次第に重くなってゆくクラブの空気に耐え切れなくなり、私は帰途につく事にした。
「それじゃ、おやすみ・・・」
同僚からの返事はない。みな渋い顔をして下を向くだけだ。
14:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2014/11/21(金) 01:57:43.36 ID:FzFnVzG60
「・・・・・・東部前線の状況は悪化しつつあるらしい」
背後で話す将校たちの会話が聞こえる。
「ポールスカでは奴等に普通の兵器じゃ歯が立たんそうだ」
15:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2014/11/21(金) 02:21:52.61 ID:FzFnVzG60
聞き耳を立てるのはそこまでにして、私は吸いさしを床に落としてブーツで踏み潰した。
徐々に喧騒を取り戻していく将校クラブを尻目に歩き出す。
将校クラブから私のアパートに帰る道はいくつかある。
私はまず人通りのある明るい大通りから帰ろうかと思ったが、すこし夜風に当たりたくなったのでいつもより遠回りすることにした。
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