6: ◆KpPu4lHfcc[saga]
2014/11/22(土) 22:00:25.72 ID:ruDIfM3ro
浴槽を後にすると、脱衣所ではバスタオルを持った母が待っていた。
少女が母の傍らに目をやると、壁には黒いローブの掛かったハンガーが下げられている。
今宵、少女が身に纏うものは、このローブ一枚である。
7: ◆KpPu4lHfcc[saga]
2014/11/22(土) 22:01:18.72 ID:ruDIfM3ro
髪は母に任せ、少女も自分の体に付いた水滴を拭き取り始めた。
白くきめ細かい肌は十分に水を弾き、少女がさっと撫でるだけで水滴は瞬く間に姿を消してゆく。
肩、肘、手首。
8: ◆KpPu4lHfcc[saga]
2014/11/22(土) 22:02:25.65 ID:ruDIfM3ro
「ごめんなさい」
少女は母に謝ると、恐る恐る自分のお尻に手を回した。
だが別段変わった様子はなく、自分の指の確かな感触がある。
9: ◆KpPu4lHfcc[saga]
2014/11/22(土) 22:03:43.18 ID:ruDIfM3ro
「では、行って参ります」
「しっかりとお勤めを果たすんだよ」
少女は母と玄関先でひしと抱き合った。
10: ◆KpPu4lHfcc[saga]
2014/11/22(土) 22:04:45.65 ID:ruDIfM3ro
コツ、コツ。コツ、コツ。
今宵は足音がやけに響く。それもそのはず。今の時間、外を出歩いているのは少女一人だけであった。
儀式の夜は、それに臨む者を除いて外出を禁じられているのである。
11: ◆KpPu4lHfcc[saga]
2014/11/22(土) 22:06:06.98 ID:ruDIfM3ro
不意に獣の遠吠えが聞こえた。
ローブの布目から風が通り、少し肌寒い。
12: ◆KpPu4lHfcc[saga]
2014/11/22(土) 22:07:06.15 ID:ruDIfM3ro
少女は一歩、また一歩と進むたびに募る不安を、日々の教えを思い出す事で払拭しようとした。
教主様にこの身を捧げる事は素晴らしい事である。
この身に神の子を宿せる事は、この村の女性として誉れである。
13: ◆KpPu4lHfcc[saga]
2014/11/22(土) 22:08:26.30 ID:ruDIfM3ro
祈りの言葉が三章と六節まで終えた時、人口の光が目に映った。
教会だ。
少女は足早に門まで駆け寄ると、その陰にはシスターと思わしき人影が立っていた。
14: ◆KpPu4lHfcc[saga]
2014/11/22(土) 22:09:23.36 ID:ruDIfM3ro
中に入ると、そこはいささか殺風景な部屋であった。
部屋の隅には簡素なベッドが置かれ、その周りには申し訳程度の家具が二、三置いてあるだけである。
飾り気など微塵もない。
15: ◆KpPu4lHfcc[saga]
2014/11/22(土) 22:10:21.27 ID:ruDIfM3ro
シスターが部屋を去ってすぐ、甘い香りが少女の鼻孔をくすぐり始めた。
次第に脳が軽くなった気がして、視界がだんだんと白ずんでくる。
ベッドに横たわっているはずの体は宙に浮いたように現実感がない。
16: ◆KpPu4lHfcc[saga]
2014/11/22(土) 22:11:22.07 ID:ruDIfM3ro
熱は下腹部から体全体に行き渡り、大粒の汗が至る所に浮き出し始めた。
全身に張り付いたローブは抱擁となり、少女の意識が恍惚の高みへと誘われてゆく。
乳房にローブが張り付いた。
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