過去ログ - 美希「天辺に一番近い場所」
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2:1[saga]
2014/11/23(日) 22:21:45.53 ID:rlRo/uli0

誰が最初にこうしたのだろうか。
ドアノブに挿したままの鍵を一度回す。

錆び付いた音と共にドアを押すと、隙間から強い風が漏れる。
以下略



3:1[saga]
2014/11/23(日) 22:23:14.93 ID:rlRo/uli0

「…………ちょっと、寒いかな」

一番下に着た防寒着が無ければもっと寒かったのだろうか。
想像するだけで身震いしてしまう。 今日は曇り。
以下略



4:1[saga]
2014/11/23(日) 22:24:20.09 ID:rlRo/uli0

体が冷たくなるほど、肉体が睡眠を欲していく。
頭や瞳の疲労とは異なった重みを瞼に感じ、開く気力も沸きやしない。

「なにしょぼくれてんのよ」
以下略



5:1[saga]
2014/11/23(日) 22:25:59.34 ID:rlRo/uli0

「あはっ、そんなおっきい失敗じゃなかったんだよ?」

言葉の通り、失敗は目立ったものでは無かった。

以下略



6:1[saga]
2014/11/23(日) 22:26:35.18 ID:rlRo/uli0

当時の自分の気持ちなど、もうとうに忘れてしまったが、
涙を流す演技を見られたことによる気恥ずかしさか、それとも疲れを見せないための強がりか。
そのどちらか、あるいは両方の気持ちでこう言ったハズだ。

以下略



7:1[saga]
2014/11/23(日) 22:27:34.71 ID:rlRo/uli0

あの時の車内での空気は、吐き出せないほど重く苦しいものだった。
いつも車内の空気を誤魔化す芳香剤も、その時は毒に思えた。

「へぇ……、そんな事があったの」
以下略



8:1[saga]
2014/11/23(日) 22:28:16.00 ID:rlRo/uli0

「素直じゃないの」

「私はいつだって素直よ。 今だって、アンタが失脚してくれればライバルが一人減って助かる、って思ってるんだから、本当よ?」

以下略



9:1[saga]
2014/11/23(日) 22:29:03.46 ID:rlRo/uli0

「…………ビックリ」

「何がよ」

以下略



10:1[saga]
2014/11/23(日) 22:30:19.69 ID:rlRo/uli0

気付けば、冷えた床と接した背中や腰は感覚を殺し、唇も震えていた。
筋肉を震わせ、熱を発生させ、主を生かそうとしている。
医学では、これを戦慄と呼ぶらしい。

以下略



11:1[saga]
2014/11/23(日) 22:32:50.33 ID:rlRo/uli0

天辺とは、何をもってどうすれば天辺なのか。
精神的に物理的に地位的に。 どれを極めれば天辺なのか。
それを考えた所で、答えが出るのは自分も天辺にたどり着いた時だろう。 

以下略



12:1[saga]
2014/11/23(日) 22:33:40.93 ID:rlRo/uli0

「また来るね、ここはでこちゃんに一番近い場所だから」

「エベレストの方がもっと近いわよ。 そうね、カブルーとエルブルースも認めてあげる」

以下略



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