過去ログ - あんじゅ「にこさんと素敵なディスティニー」にこ「にこにこ!?」
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1: ◆2KF.0JG/i6/M[saga]
2014/11/24(月) 01:51:27.20 ID:VVhk29Qh0
矢澤にこにとって、優木あんじゅは憧れのスクールアイドルの一人だった。

にこが小学生の時に秋葉に出来たUTX学院。

アイドル養成所と言っても過言ではないくらいに設備が充実しており、生徒数も設立以降増加の一方。

芸能コースと一般コースの二つに分かれているが、一般コースでの偏差値も高い。

大学受験を考えているものにとってもUTX学院はステータスの一つになる。

ただし、入学金は高額であり、倍率も高い。

にこは憧れる気持ちだけはあるものの、願書を出すこともなく諦めて音ノ木坂学院を選択した。

国立であり授業料は無料。

伝統があると言えば聞こえがいいが、正直な話設備が一昔前の物であり、普通の学校と比べると魅力がない。

広さだけはあるものの、少子化の影響もあり生徒数が激減していることもありより人数の少なさを目立たせる。

にこが入学する数年前から廃校になるのではという噂が付き物だった。

だが、そんなことはどうでもよかった。

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2: ◆2KF.0JG/i6/M[saga]
2014/11/24(月) 01:52:21.07 ID:VVhk29Qh0
徒歩で行けて、授業料無料で、受験すれば合格するような学校はにこにとっては喜ぶべき事だ。

「……そう、喜ぶべきことなのよ」

合格発表の結果を見ながら一人呟く。
以下略



3: ◆2KF.0JG/i6/M[saga]
2014/11/24(月) 01:53:12.66 ID:VVhk29Qh0
アイドルというには手遅れの年齢であり、無名の自分を誰が使ってくれるのか。

それでも、たった一つだけ今という時代だからこそ指せる一手がある。

《 スクールアイドル 》
以下略



4: ◆2KF.0JG/i6/M[saga]
2014/11/24(月) 01:54:11.61 ID:VVhk29Qh0
スクールアイドルを名乗っても、応援する人が居なければアイドルではない。

そう思い知らされたのは入学から僅か二ヶ月足らずのこと。

三人で結成したスクールアイドルはメンバー二人の退部により一人きりのスクールアイドルに……。
以下略



5: ◆2KF.0JG/i6/M[saga]
2014/11/24(月) 01:54:51.78 ID:VVhk29Qh0
優木あんじゅにとってアイドルとは自分を輝かせる物の一つだった。

一度きりの人生なのだし、やれることは全部やりきりたい。

女の子に生まれたのだから最高に輝きたい。
以下略



6: ◆2KF.0JG/i6/M[saga]
2014/11/24(月) 01:55:36.62 ID:VVhk29Qh0
UTX学院に入学後、スクールアイドル候補の代表の一人として選ばれた。

綺羅ツバサと統堂英玲奈と組むことになり、現役スクールアイドルだった先輩達を越える完成度となった。

実力主義であることから、現役だったスクールアイドルは引退し、あんじゅ達三人が代表となった。
以下略



7: ◆2KF.0JG/i6/M[saga]
2014/11/24(月) 01:56:19.38 ID:VVhk29Qh0
輝かしいスクールアイドル生活。

頂点に立つということはこの先はもうないということと同じで、あんじゅの心を完全に満たしていた想いは冷める。

冷めると言っても手を抜いたりはしない。
以下略



8: ◆2KF.0JG/i6/M[saga]
2014/11/24(月) 01:56:58.75 ID:VVhk29Qh0
メッセージの内容もありきたりなもの。

《がんばってください》《ライブ最高です》《応えんしてます》《笑顔になります》

名前すら書き込まれていないソレは謙虚な人である証なのか、それとも書き忘れてるだけなのか。
以下略



9: ◆2KF.0JG/i6/M[saga]
2014/11/24(月) 01:57:44.96 ID:VVhk29Qh0
――十一月初頭 レンタルショップ

その日、特別何かを借りたいと思った訳ではない。

ただ今週はセールをしていて、旧作は一本税込みで五十円という安さなので足を運んだだけ。
以下略



10: ◆2KF.0JG/i6/M[saga]
2014/11/24(月) 01:58:24.52 ID:VVhk29Qh0
眼鏡越しの目が普段知っている大人っぽいものから、悪戯っ子のような色を見せた。

だけど、にこはそんな事に気づくこともなく、カチコチになりながらあんじゅの傍まで進んだ。

そして、あんじゅが持っていたパッケージの裏を見せる。
以下略



11: ◆2KF.0JG/i6/M[saga]
2014/11/24(月) 01:59:02.55 ID:VVhk29Qh0
眼鏡を外し、涙を拭き取る頃にはにこの緊張も恥の所為で薄れた。

正確には開き直ったとも言うが。

「どうしてA−RISEのあんじゅさんがこんなレンタルショップに?」
以下略



12: ◆2KF.0JG/i6/M[saga]
2014/11/24(月) 01:59:54.39 ID:VVhk29Qh0
「にこです。矢澤にこ」

「あっ、だからにこって鳴き声なのね」

「うぅっ!」
以下略



13: ◆2KF.0JG/i6/M[saga]
2014/11/24(月) 02:00:49.11 ID:VVhk29Qh0
「にこにはちょっと分からないです」

「そうよね。したことない人間にとっては絶対に分からないことだものね」

「あんじゅさんは恋人とかに興味があるんですか?」
以下略



14: ◆2KF.0JG/i6/M[saga]
2014/11/24(月) 02:02:02.62 ID:VVhk29Qh0
「残念ね。あ、時間取らせちゃってごめんね。私はこれを借りて帰るわ。じゃあね」

「応援してます」

「うふふ。ありがとう」
以下略



15: ◆2KF.0JG/i6/M[saga]
2014/11/24(月) 02:03:07.82 ID:VVhk29Qh0
チケットはスクールアイドルとしては安い物の、にこのお小遣いでは毎月通えるものではない。

妹達のお世話もあって、アルバイトも難しいことから、生でA−RISEを見ることになれていない。

しかも、一週間前のこととは言え自分の名前を覚えていてくれたことからくる感動。
以下略



16: ◆2KF.0JG/i6/M[saga]
2014/11/24(月) 02:03:57.05 ID:VVhk29Qh0
普段は頬が熱くなることなんて経験がないのに、今正にその状態を体感している。

「にこさんの反応は本当に可愛いわね」

「……っ」
以下略



17: ◆2KF.0JG/i6/M[saga]
2014/11/24(月) 02:04:58.09 ID:VVhk29Qh0
にこはその答えが出そうになった瞬間、思考を止めた。

「にこさんは何かお薦めとかある?」

「えっ?」
以下略



18: ◆2KF.0JG/i6/M[saga]
2014/11/24(月) 02:05:55.04 ID:VVhk29Qh0
「それじゃあ、私はこれで行くわね。決めるの手伝ってくれてありがとう」

「いえ、楽しかったです」

「それじゃあ、またね」
以下略



19:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/11/24(月) 02:50:17.74 ID:kGtF7Gw+o
期待はよ


20:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/11/24(月) 05:05:11.37 ID:BDcW9oNCO
>>8
矢澤あんじゅて


21:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/11/24(月) 05:56:25.60 ID:kGtF7Gw+o
結構誤字が目立つけど一々訂正しない>>1に交換持てる
だから続きはよ


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