過去ログ - 憂「いい子の私と明かりの話」
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1:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2014/12/19(金) 05:27:37.20 ID:P/0rTjJso

 かみさま  おねがいです

  いい 子 になりますから

   お 姉 ちゃんの

         びょう 気 を

  な お し て く だ さ い


             う い


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2:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2014/12/19(金) 05:29:11.41 ID:P/0rTjJso

  ◆  ◆  ◆

 衣替えのついでに古くなった服を取り分けていたら、
 こぼれ落ちた懐かしい宣伝チラシ。
以下略



3:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2014/12/19(金) 05:29:47.76 ID:P/0rTjJso

 ふわぁ、って思い出が頭の中に広がってくる。
 鍋のお湯にコンソメをひとかけら落としたみたいに、
 固まってた記憶が少しずつ溶け出して、香りまでただよってくる感じ。

以下略



4:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2014/12/19(金) 05:30:24.11 ID:P/0rTjJso

 もうぬるくなったタオルを頭に当てたりしながら、
 なんにもできない私は
 ずっと

以下略



5:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2014/12/19(金) 05:31:00.44 ID:P/0rTjJso

 お姉ちゃんはすぐに治った。
 前の日に小雨の下ではしゃぎすぎたせいだ、
 ってお医者さんにも怒られちゃってた。

以下略



6:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2014/12/19(金) 05:31:36.76 ID:P/0rTjJso

 お母さんの呼ぶ声がして、記憶の向こうから引き戻された。

「憂、いるんでしょう?」

以下略



7:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2014/12/19(金) 05:32:13.11 ID:P/0rTjJso

 あれこれしているうちにお姉ちゃんが帰ってきて、

 久しぶりに三人で夕ごはんを食べて、

以下略



8:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2014/12/19(金) 05:32:49.43 ID:P/0rTjJso

 あれ、私お皿洗ったっけ、と思って振り向けば、エプロンのお姉ちゃん。

「ごめんね」

以下略



9:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2014/12/19(金) 05:33:25.78 ID:P/0rTjJso

 ねえお姉ちゃん。
 今日、一緒にねてもいいかな。

 洗面所を出て、
以下略



10:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2014/12/19(金) 05:34:02.10 ID:P/0rTjJso

  ◆  ◆  ◆

「うひゃ、なつかしーい!」

以下略



11:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2014/12/19(金) 05:34:38.40 ID:P/0rTjJso

「ねえ、お姉ちゃん」

「なあに?」

以下略



12:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2014/12/19(金) 05:35:14.71 ID:P/0rTjJso

 お姉ちゃんが照明のひもを引く。

 夜の帳がふわりと落ちて、
 白んだ部屋の明かりに慣れきってた私の目はなんにも見えなくなった。
以下略



13:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2014/12/19(金) 05:35:51.04 ID:P/0rTjJso

 一緒のお布団、二人分の熱であったかい。

 手、昔みたいに指先を引っ張ってみたら、つないでくれる。
 あったかい。
以下略



14:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2014/12/19(金) 05:36:27.35 ID:P/0rTjJso

 憂も来年には後輩かあ。

 そうだよ。

以下略



15:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2014/12/19(金) 05:37:03.69 ID:P/0rTjJso

「あの熱、憂が治してくれたんだよね」

 ひとりごとが聞こえた。
 言葉と息は薄闇ににじんで、オレンジの灯りの方へ溶けて消えていく。
以下略



16:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2014/12/19(金) 05:37:40.01 ID:P/0rTjJso

 そっかあ。
 憂も、いい子じゃないんだね。

 ってお姉ちゃんがこっち向いて布団の中で笑った。
以下略



17:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2014/12/19(金) 05:38:16.31 ID:P/0rTjJso

 あつくるしくって、二人同時に布団をはがした。
 空気の冷たさが顔に当たるの、ちょっと気持ちいい。

 つないだままの手を布団に投げ出して、なんとなく外す。
以下略



18:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2014/12/19(金) 05:38:52.61 ID:P/0rTjJso

「お姉ちゃん」

「なあに?」

以下略



19:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2014/12/19(金) 05:39:28.92 ID:P/0rTjJso

 布団の上に投げ出してた手をつなぎ直した。
 少し冷えた手を重ね直すの、意外と悪くないのかも。


以下略



20:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2014/12/19(金) 05:40:05.25 ID:P/0rTjJso

 もう寝ちゃう間際、受験勉強がんばってね、ってお姉ちゃんがいう。

 うん、って今度こそ。

以下略



21:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2014/12/19(金) 05:40:41.56 ID:P/0rTjJso

  ◆  ◆  ◆

 目を閉じる。
 手はまだつながったまんま。
以下略



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