27:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2014/12/20(土) 07:01:05.63 ID:DL0z8tZuo
「……プロデューサーさん、私をスカウトしてくれませんか」
彼はコップの水を一口含み、首を振った。
「それは、オーディションを免除してくれってこと?」
28:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2014/12/20(土) 07:02:13.94 ID:DL0z8tZuo
「わがままだっていうのは分かってます」
「……少し、考えさせてくれ」
「少しって、どれくらいですか」
29:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/12/20(土) 07:02:16.14 ID:tMvMDqNTO
違ってたら悪いけど雪歩の奴も書いとくれぇぇぇ!
30:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2014/12/20(土) 07:03:54.73 ID:DL0z8tZuo
彼の決断は言った通り早かった。
コンビニからホテルの部屋へ帰ってくると、携帯電話が鳴った。
買ってきたサンドイッチとココアをチェストの上へ置いて、私は電話を取った。
「もしもし、プロデューサーさん」
31:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2014/12/20(土) 07:04:33.90 ID:DL0z8tZuo
「僕は、君をプロデュースしようと思う」
「……ありがとうございます」
ひとまず良かった。ほっと胸を撫で下ろす。
32:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2014/12/20(土) 07:05:06.81 ID:DL0z8tZuo
「どうして僕にプロデュースされたいと思った?」
それは予期せぬ質問だった。私はためらいがちにベッドの上へ戻って、
チェストに備え付けてあるラジオの電源を入れた。
ざあ、と冷たいノイズが足元へ落ちて行った。
33:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2014/12/20(土) 07:05:33.13 ID:DL0z8tZuo
――――
私の垂れ目は父譲りだ。
小学生の頃は、泣いていないのに泣き虫だと言われて嫌だった。
今も、相変わらず好きになれずにいる。
34:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2014/12/20(土) 07:06:09.18 ID:DL0z8tZuo
私と母とプロデューサーさんの三者面談は夕飯前に済んだ。
ご一緒にいかがですか、と母の言う社交辞令をかわして、プロデューサーさんは出て行った。
私は夕飯のビーフシチューを急いで飲み込んだ。
母はもしかしたら、カレーとハヤシライスとビーフシチューを、
35:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2014/12/20(土) 07:06:44.95 ID:DL0z8tZuo
お風呂から上がって髪を乾かし終えると、私はすぐに部屋へ戻った。
温もりの残る髪を払うと、シャンプーの匂いが鼻先へ掠める。
母の髪もきっと同じ匂いがするんだろう。
プロデューサーさんの強い勧めで、私立の学校へ転入することに決めた。
36:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2014/12/20(土) 07:07:50.58 ID:DL0z8tZuo
――――
夢うつつの波打ち際で、私は膝をついて祈っている。
どうか許してください。私を罰さないでください。
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