過去ログ - 花陽「はんたいの世界」
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11:名無しNIPPER
2015/01/04(日) 23:40:05.16 ID:BKFeZtv40

花陽が考えていたのは至極簡単、凛ちゃんのことです。
前々から、思っていました。凛ちゃんが女の子っぽく見られないのは――花陽が、凛ちゃんよりダメだからだって。
花陽が王子様になれないから――凛ちゃんは王子様に見られちゃっていたのだと。
幼馴染みとして二人ワンセットで数えられることも多い私達―――元気はつらつでスポーツ大好きな凛ちゃんと、内気で臆病で、折り紙が大好きな花陽。
以下略



12:名無しNIPPER
2015/01/04(日) 23:41:09.80 ID:BKFeZtv40
そうですね。

例えば性格が真反対だったら。例えば――


以下略



13:名無しNIPPER
2015/01/04(日) 23:42:11.24 ID:BKFeZtv40
花陽「…………へ?」


なんということでしょう、いきなり鏡がへこみました、一大事―――じゃないですかね?って、これってどうなっちゃってるのぉ!?

以下略



14:名無しNIPPER
2015/01/04(日) 23:43:37.60 ID:BKFeZtv40
――慌てて絞り出した叫びむなしく、鏡に飲み込まれてしまいました―――え、ええー。
反射的にひっ、と声が漏れでちゃった。なにも見えない中、とにかく必死に叫びます。


きゃあああ!!!ひい!!!う、う、うわああ!!なんかつめたくて、とってもまっくらでいやだよお――真姫ちゃん、凛ちゃん―――あれ、なんか一周回って冷静になって―――いやいやいやそんなわけ無い!こわい、こわいよぉ、だれか、たすけ―――
以下略



15:名無しNIPPER
2015/01/04(日) 23:44:08.96 ID:BKFeZtv40


…――まるで、『鏡に写したかのように』真反対な、この部室のおかしさに。




16:名無しNIPPER
2015/01/04(日) 23:44:57.01 ID:BKFeZtv40

花陽「………………」

たっぷり三秒、固まって。振り替えれば鏡がそこに。無言で手のひらを押し付けてみるけれど――柔らかくなるどころか、びくともしません。どうしましょう。どうしたことでしょう、どうすれば――いいんだろう。脳味噌はぐるぐる頭のなかでミキサー並に回った後、ついにそのお仕事を放棄し始めちゃったので、今の花陽はぼーっとすることしか出来なくなっちゃいました。近くにあったパイプ椅子。よろめくように腰を落としました。どこからか夕日が差し込んできました。窓からに決まってますね。



17:名無しNIPPER
2015/01/04(日) 23:45:57.90 ID:BKFeZtv40




………………。
以下略



18:名無しNIPPER
2015/01/04(日) 23:47:47.68 ID:BKFeZtv40
?「よ――。……………」

どうも耳に馴染みのあるように思えた、ハスキーな低音。扉の向こうにいた人影は、こちらを見て――その瞳をまあるく見開きました。どうにも花陽にはその人が男の子に――同い年くらいの背の高い、制服を着た青年に見えました。
青年?いやいや、音ノ木坂は女子校、それは教職員を除きいるはずのない存在です。
ならば目の前に居るのは不審者でしょうか?
以下略



19:名無しNIPPER
2015/01/04(日) 23:47:54.03 ID:U4iqd+Ij0
ヘヴンワロタ


20:名無しNIPPER
2015/01/04(日) 23:48:41.90 ID:BKFeZtv40
そうしててくてくと響く足音に気付いた時には、新しい小柄な人影がひょっこり、扉横から顔を覗かせていました。アルトを少し高音に近付けたような、これまたどうしたことか馴染みのある気のした、明るい声。

?「マーキ君、扉前なんかで立ち止まって、どうしたんだにゃ……………お、女の子っ!?
マキ君それは犯罪だぜ!?」

以下略



21:名無しNIPPER
2015/01/04(日) 23:50:07.63 ID:BKFeZtv40

花陽「…あの……えっ、と、お二人は、―――ええと、星空凛と西木野真姫………って、名前に………心当たりは」

?「にゃ?リンはリン、ホシゾラリンだよ!」

以下略



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