過去ログ - 幸子「アイドルになった事に後悔なんてしていません」
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50:名無しNIPPER[saga]
2015/01/06(火) 22:19:25.77 ID:EM5bJfah0
「……アイドルに憧れてた、って感じじゃないな。そう言う子は、自分の事を井の中の蛙に例えたりしない」

「……」

「そうだなぁ……自分なら簡単にアイドルになれる、って思ってた口かな?」
以下略



51:名無しNIPPER[saga]
2015/01/06(火) 22:23:18.24 ID:EM5bJfah0
「話は変わるけど、輿水さん、君は聞いたか? 最終選考を突破した、現在の通過人数」

「いえ。残った人たちとは、連絡先を交換していませんし、会場は誰とも被っていませんので」

 最終選考に残った人は、ボクを合わせて六人。
以下略



52:名無しNIPPER[saga]
2015/01/06(火) 22:30:18.79 ID:EM5bJfah0
「四回チャンスがあるのに、輿水さん以外、全員一戦目で負けてたあと、辞退したんだって」

「……は?」

 一瞬、思考が停止してしまいました。
以下略



53:名無しNIPPER[saga]
2015/01/06(火) 22:33:51.12 ID:EM5bJfah0
「合格条件が違うんですよ。本当はね、勝たなくてもいいの。ライブバトルに出場して、毎回精一杯パフォーマンスを見せたら合格なんです」

「負ける怖さを最初に身に染み付かせる。そうしたら、もう負けたくないって思うし、その分練習だって真剣に取り組むようになる。
 あの事務所は、そう言うやり方なんだ」

以下略



54:名無しNIPPER[saga]
2015/01/06(火) 22:39:49.56 ID:EM5bJfah0
 ……なんですか、それ。

 ボクは、ぼそりと呟いていました。

「……理屈はわかりました。けど、なんですか、それ? ボクは靴を隠されて、その上脅されたんですよ? 見つけなきゃ、親に弁償させるって」
以下略



55:名無しNIPPER[saga]
2015/01/06(火) 22:43:21.15 ID:EM5bJfah0
「……うん、俺たちは輿水さんに無理強いをさせるつもりはないよ。嫌なら嫌でいいんだ。アイドルだけが君の人生じゃないんだから」

 プロデューサーさんは上着の懐を漁り、二枚目のハンカチを取り出しました。

 それもボクが握っている一枚目と似て、皺だらけでした。
以下略



56:名無しNIPPER[saga]
2015/01/06(火) 22:53:47.94 ID:EM5bJfah0
「これは俺の推測に過ぎないけど、あの子は君が有名な事務所の最終選考中って言う話を誰かから聞いたんだ。
 だから、妨害して不合格にさせようとしたんだと思う」

 あの子、とプロデューサーさんは言いました。

以下略



57:名無しNIPPER[saga]
2015/01/06(火) 22:58:46.97 ID:EM5bJfah0
「それ言ったの、□×って人じゃないか?」

 ボクは頷いて肯定します。

 やっぱり知人のようでした。
以下略



58:名無しNIPPER[saga]
2015/01/06(火) 23:01:24.94 ID:EM5bJfah0
「話を戻すけど、あいつ、本当に不器用なんだよ。どれくらい不器用かと言うとな、思ってる事の反対を口にするほど。
 まぁ、今回は言い過ぎだと俺も聞いて思ったよ」

「本当ですか、それ?」

以下略



59:名無しNIPPER[saga]
2015/01/06(火) 23:02:42.29 ID:EM5bJfah0
「もしもし。……あぁ、久しぶり。それより、お前んところで最終選考に残った子の靴が隠されたって話、聞いたか?
 ……そりゃ勿論、お前と同じ会場にいるからだよ。本当はなにも言わずに帰るつもりだったけどさ」

 プロデューサーさんの言葉を聞いて確信しました。

以下略



60:名無しNIPPER[saga]
2015/01/06(火) 23:06:39.39 ID:EM5bJfah0
『ごめんね、プロ君。君に迷惑をかける事になっちゃって……。でも大丈夫だよ。僕が絶対に見つけるから。
 あっ、一階は全部探し終えたけどなかったよ。僕はこれから二階に行くね』

 間違いなく、立会人さんの声でした。

以下略



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