過去ログ - 恭子「いつか聞きたいその2文字」
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6: ◆aaEefGZMoI[saga]
2015/01/22(木) 20:26:19.01 ID:DsjzTcAto
「絹は一回あったからなー」
「もー昔のことやで、今はおらんわ」
7: ◆aaEefGZMoI[saga]
2015/01/22(木) 20:27:06.72 ID:DsjzTcAto
「それはひどいなあ……」
「ひどいやろ?
今思い出しても憎たらしいわ……
8: ◆aaEefGZMoI[saga]
2015/01/22(木) 20:27:53.34 ID:DsjzTcAto
「なるほどなあ」
「そういえば恭子はそういうのないん?」
9: ◆aaEefGZMoI[saga]
2015/01/22(木) 20:28:36.01 ID:DsjzTcAto
それからというもの、落ち着きのない日々が続いた。
あの日の声と映像が浮かび上がっては、何度も自分の胸に手を当ててみる。
髪を手でほぐし乾かす後ろ姿。
オイルを塗りたくる手の捌き。
10: ◆aaEefGZMoI[saga]
2015/01/22(木) 20:29:10.12 ID:DsjzTcAto
幸い、というか。
勉強が大の苦手な洋榎は、勉強の得意な私をよく頼ってきた。
ホームルームが終わるやいなや洋榎がの○太くんよろしく私に泣きついてきては、私がドラ○もんよろしく嫌々応対する。
もっとも、嫌々というのは本音からの態度ではない。
11: ◆aaEefGZMoI[saga]
2015/01/22(木) 20:29:54.92 ID:DsjzTcAto
洋榎は二つ返事で私の自宅に来た。
なんというか、想像通りの容易さである。
ただ一つ想定外だったのは、私が彼女の図々しさについて忘れていたこと。
なんと彼女は宿泊道具をカバンいっぱいに詰めて持ってきたのだ。
12: ◆aaEefGZMoI[saga]
2015/01/22(木) 20:30:41.83 ID:DsjzTcAto
勉強の指導はいつも通り済ませ、簡単に夕飯をとる。
それから風呂に入り、風呂から上がると他愛もない会話を交わした。
さりげなく流したが、二人きりで風呂に入っている間、私の心臓は破裂しそうなほどに高鳴っていた。
13: ◆aaEefGZMoI[saga]
2015/01/22(木) 20:31:22.49 ID:DsjzTcAto
──というのは私のよろしくない妄想、あるいは欲望であって。
私たちは2人で風呂上がりのアイスを嗜んでいた。
「あー、うまい。
14: ◆aaEefGZMoI[saga]
2015/01/22(木) 20:32:04.50 ID:DsjzTcAto
「な、なんや、ええやろたまには」
「ほぉーん」
15: ◆aaEefGZMoI[saga]
2015/01/22(木) 20:32:40.84 ID:DsjzTcAto
「実はな、最初の時、洋榎のことむっちゃ嫌いやってん」
自分の口から出た言葉に自分で驚いた。
私は何を言っているんだ。
16: ◆aaEefGZMoI[saga]
2015/01/22(木) 20:33:25.65 ID:DsjzTcAto
「……」
「……」
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